四十八話:約束の地、呪われた宿命
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『……っ!』
そしてジュードはルドガーに戦いを挑む。ルドガーは未だに迷いが吹っ切れないのか顔を歪めたままジュードに相対する。そして拳と剣がぶつかり合う音がロビーに響き渡る。激しい戦いの最中、ジュードはルドガーに叫びかける。
『エルは君を待っている! 手が届くうちに掴まなきゃ!』
『くっ! うおおおおっ!』
ジュードの言葉に苦しそうに声を上げるルドガー。それを聞いたルフェイはそっとアーサーの手を握る。その事に驚いた顔を浮かべるアーサーだったが振り払うことはせずに好きなようにさせる。そしてジュードとルドガーの戦いは続いていき、ジュードがその想いを拳に込めてルドガーに叩きこむ。
『何を迷ってるんだよ、ルドガー! エルは……エルはルドガーの家族だろっ!』
そして、その言葉を聞いた瞬間、ルドガーの迷いはついに吹っ切れる。
『エルーーーッ!!』
本来ならエルが傍に居なければなれない骸殻へと変身し、ジュードを倒すことに成功する。そして、膝をつくジュードへと手を伸ばす。ジュードはなぜ、ルドガーが変身できたのかと不思議そうに尋ねるとその質問にミラが答える。
『決まっている。エルが君を呼んでいるのだ』
その言葉にルドガーは強く時計を握りしめて覚悟を決める。エルと一緒に……カナンの地へ行く! その決意を胸にルドガーは二人と一匹と共に会社の外に出ようとするが、突如として警報が鳴り響き、エージェントに取り囲まれてしまう。
『ここは通行止めだ、ルドガー副社長』
『定番すぎるセリフで申し訳ないけど、社長命令は守らないと』
イバルとリドウがルドガーにそう告げるがルドガーはそんなことなど聞く気はない。そして、ミラがイバルに退いてくれと言うが、イバルは苦悶の表情を浮かべながらも退かない。
『ふふふ、俺を無視とは興奮しちゃうなぁ。冷徹な君は、まったくもって素敵だ』
『何このキモイ人』
「キモイにゃ、ドMにゃ、変態にゃ。殺すしかないにゃ!」
「……姉様、気持ちは分かりますけどやっても無駄です」
気持ちの悪いセリフを言ったリドウに対してミュゼが遠慮なくキモイと言ってエージェントを倒す、そして何故か黒歌も余りのキモさに耐え切れなくなったのか、ここが記憶の中であることも忘れて巨大な魔力弾をぶつけようとする。それを小猫が後ろから羽交い絞めにして何とか止める。そんな黒歌達の様子を知るはずもなくエージェントをなぎ倒しながらガイアスも現れる。
『迎えに来たぞ。お節介だったか?』
『王様に迎えに来てもらえるなんて光栄だよ』
『あーあ、面倒なお方が来ちゃったなぁー。けど、こっちもルドガー君止めないとヤバイんだ―――命がかかっててね』
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