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エクシリアmore −過ちを犯したからこそ足掻くRPG−
エピローグ 手紙(後)
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 最後に署名して……よし、できた。

 ちょうどトリグラフ行きの列車がホームに滑り込んだ。うん、タイミングはばっちし。
 ワタシは立ち上がったんだけど、ウィンガルはそうしない。どうしたのかしら。

「黒き片翼が鉄くずの塊に恐れを成した?」
「――――」

 睨まなくてもいいじゃない。

 少しだけ広がった青空へ、シルフモドキをもう一度放してから、ワタシたちは列車へと乗り込んだ。




  アルフレド・ヴィント・スヴェント様

  ***

  20年間、本当にお疲れ様。ずっと独りで、誰にも弱音を吐かないで、ここまでよく頑張ったね。アルはエライ。ユティが保証する。きっとレティシャおばさまもそう言ってあげたかったって断言する。

  セルシウスに会った時に伝えておくね。アルのありがとうの気持ち。

  ジランドおじさまを目指すアル、カッコイイよ。きっとその内、女の人がほっとかないイイオトコになるんでしょうね。この分だとプレザとの復縁も夢じゃないんじゃないかしら。

  でもね、ずっとずっと、ユティが一番アルを大好きよ。ユティのもう一人のとーさまで、一番の友達で、大切な家族。




  イバル様

  ***

  今だから言うけど、アナタの活躍はユティにとって最大のイレギュラーだったわ。叔父貴もフェイ姉もそうだったはずよ。

  ユティたちがいた「旧世界」で、アナタは端役がせいぜいだった。それが自分の意思で村を出て、ずーっと最後まで叔父貴のパーティから外れないで、世界の変わる瞬間に立ち会ったんだもの。しかもアルとエリーの真ん中で三兄妹みたくなってるし。

  ワタシもイスラに働きかけて歴史を変えようとしたけど、イバルはそれ以上だったわ。いい意味でも悪い意味でも。

  うん。そんなアナタだから、『あの』ミラの巫子が務まったんでしょうね。さすがは意思の賢者クルスニクの末裔。ミラに関してはイバルの意思力が勝因だった。

  精霊の命は人の祈りによって支えられる。離れていても、逢えなくても、アナタのその信仰心はとこしえに『ミラ=マクスウェル』を生かし、守るのでしょう。息吹を感じるというなら、ミラは確かにアナタの祈りに応えているんだと思うわ。

  弛まぬ意思と情熱を懐く、不屈の巫子。アナタと同じクルスニクの血の下に産まれたことを、一族の娘として誇りに思います。




  エリーゼ・ルタス様

  ***

  イスラが心配するのは当然。だってアナタはオンナノコなんだから。まだ言えないけど、女のカラダはイロイロめんどくさい。イスラはその辺詳しいから、レクチャーしてもらうといい。

  ジャオは……うん、子離れさせるべきかも。ワタシもフォローできない。|四象
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