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エクシリアmore −過ちを犯したからこそ足掻くRPG−
第四十八話 乱戦の中の秘策
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/Victor
こちらの〈次元刀〉を構えた。長剣の心得はないが、武器と名のつく物なら大半は使いこなせる自信がある。
対するミラも、今まで精霊術だけを頼りにしてきた分、剣の扱いには慣れていまい。
条件はイーブンだ。
「はああ!」
先に動いたのはミラだった。勢いだけで振り抜かれた刀を避ける。
こちらから刀を突き出すも、ミラは首を大きく逸らして私の攻撃を避けたので、金蘭の髪をわずかに斬っただけに終わった。
「私の妹から離れなさい!」
ミュゼが横からネガティブホルダーを連射してきた。
着弾前に横に氷の壁が生じて、ネガティブホルダーから私を守った。氷、ということは、セルシウスか。ならば次の攻撃は――
ジランドのショットガンから連射された弾がミュゼに向かう。
ミュゼは忌々しげに空間を闇色の球の中でねじり上げた。弾丸はその球の中で割れた。
「〜〜っもう貴方は
源霊匣
(
オリジン
)
を完成させてるじゃない! 後はそれを祖国に広めるだけ。憎い異世界なんて顧みる暇はないはずよ!」
「ああそうとも。だからこれは俺個人の勝手な行動だ。精霊の都合にこれ以上振り回されんのは、いい加減ウンザリなんだよ!」
セルシウスはセルシウスで、主張を拳に乗せてミラへぶつけている。
「セルシウス。身勝手な願いだと分かっている。だが、頼む。どうかエレンピオスにいる精霊たちを導いてあげてくれ。私はあちらには渡れない」
『それは貴女がすればいい。今や精霊の主は貴女だ。また見捨てていくなど、この私が許さない!』
セルシウスの拳がミラの胸を激しく殴打する。さすがのミラもしゃがんで胸を押さえた。
「ローエン! 行こう!」
「我が君に一曲捧げましょうぞ!」
「「ベルベティスラッシュ!!」」
息の合ったクレインとローエンの剣圧は十字を描き、しゃがんだミラを吹き飛ばした。
ミラは吹き飛び、後ろに体を叩きつけて転がった。
「ミラッ! 待ってて、今治すから。ティアーハ……」
「させません! 夜よ包め、サーペンツヴァイト!」
闇の光線が、ミラを向いて集中を欠いていたミュゼにまともに浴びせられた。
「くっ……邪魔しないで! ショックスフィア!」
黒い砂嵐がエリーゼを引きずり込もうとする。ここでそうはさせないのが――
「虎牙破斬!!」
すかさずエリーゼの前に立って、代わりに黒い砂嵐にあえて巻き込まれることで距離を詰めた、アルヴィン。ミュゼの懐に入るなり、大技を揮った。
「くああっ!」
「ミュゼッ! ウンディーネ、ミュゼを回復させろ!」
応えて現れた水の大精霊。だが、侮るな。大精霊を足止めできられない人間を今回のメンバーに選ぶと思うてか。
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