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エクシリアmore −過ちを犯したからこそ足掻くRPG−
第四十八話 乱戦の中の秘策
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 上から降りてきたイバルが、構えた二刀をウンディーネにくり出した。

「お許しを――! 幻影刃!」

 正面からの斬り込み後、即、背後に回って二度目の斬り込み。小柄さとスピーディを生かしたイバルならではの技は、ウンディーネでさえ傷を負わせる。

 大精霊は深手を負っても血を流さない。代わりに傷口からマナの光滴を零す。
 ウンディーネもまた、青い光滴を十字の傷口から零していた。

 ここまでやったんだ。そろそろ――――来た。

「何だ、これは。世精ノ途(ウルスカーラ)になぜ霧など」
「わたしが発生させたんだよ。ミラ、ミュゼ」

 上空で浮かぶフェイが、こちらを見下ろしながら告げた。

「小癪な真似を!」

 ミラが飛び上がり、フェイと同じ高さに浮遊して至った。

「ミラ、私も」

 飛び上がろうとしたミュゼの足元を、双銃で撃った。睨むだけで殺されかねない視線がこちらに向いた。

「悪いが君の相手は我々だ。もう少しばかり付き合ってもらおう」

 その間、遠距離攻撃ができるアルヴィンとジランド、それにセルシウスに、フェイの援護は任せる。





/Fay

 空にはミラとフェイの二人きり。下からアルとジランドさんが援護射撃してくれるけど、やっぱり、大規模精霊術のぶつけ合いだもん。わたしたちの独壇場になっちゃう。

 でも、それでいいの。ミラ、もっと怒って。もっと焦れて。

「おおおおおぉぉぉぉ!!」

 誰かが駆け上がってくる。氷の足場が斜め一直線に出来てる。セルシウス、あなたね。走ってくるのなんて一人しかいない。

「双牙煌裂陣!!」

 イバルはミラの足元に広がった魔法陣に剣を打ち下ろした。魔法陣の上が爆発した。

「お前まで私の行く手に立ち塞がるか、イバル」

 イバルの隣まで漂ってって、いつでもフォローできるようイメージを組んでおく。

「当てどない道など砂漠。貴女はそうおっしゃいました。ですが、そうではないと俺は思うのです。歩んだ足跡こそが、道になるのではないのですか」

 ミラは寂しげに首を振った。

「あるいは、お前は私の下に、と浅はかな期待をした。そんなはずもないのに」

 ミラの表情から感情が全部削げ落ちた。

 とっさに、氷の台座の上にいたイバルを地上へ突き落した。

「始まりの力、手の内に!」

 炎を避けて、下から噴き上げた水流も避けて飛んでいく。

「我が導となり、抉じ開けろ!」

 土の塊をいくつもぶつけられて、暴風に体を洗濯機みたいに轟々に巻かれた。

 わたしは墜落していく――()()()()

「スプリームエレメンツ!!」

 地水火風のレーザーが同時に
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