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英雄伝説〜西風の絶剣〜
第3話 戦う意味
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「ぐっ、焦ったか。待ち伏せされていることを警戒していなかった……」
「子供にしては中々やったと言うがここまでだ、クラウゼルの息子よ、我らの勝利のために利用させてもらうぞ」
「僕を人質にするつもりか……」
「流石だな、自分の立場を理解しているか」


 やはり敵の狙いは自分か。しかし状況は最悪だ、囲まれている上に僕は負傷してしまった。何か手段はないか……


「リィン、どういうこと……?猟兵王って何の事なの?」
「あっ……」


 そうだ、この場にはエレナもいたんだ、先ほどの会話も聞いていたはずだ。


「何だ娘、お前はこの小僧がどれだけの大物かも知らないのか?こいつは猟兵の中でも最強といわれる『西風の旅団』団長ルトガー・クラウゼルの息子だ」
「リィンが猟兵……?」
「―――ッ……!!」


 自分で話そうとはしていたが結局話せなかった、よりにもよってこんな最悪な形でバレてしまったか……でも今はこの場から逃げないと!たとえ嫌われても僕はエレナを守る……!
 

(どうする、逃げ場は無い……お父さん達は戦場にいる、助けは呼べない状況だ)
「お遊びは御終いだ、小僧を捕らえろ」
「あの娘はどうしますか?」
「任務には必要ない、殺せ」
「はっ!」


 だが状況を変えるような作戦もない。猟兵二人が僕を拘束する、そして残りの猟兵達がエレナに銃口を向けた。


「エレナ!」


 僕は暴れるが子供が大人二人の力には抗えるはずがなかった。


「大人しくしろ!」
「があッ!」


 猟兵が僕を黙らせる為に銃で頭を殴りつけた、額から血が流れる。


(―――くそッ……!僕は…何も出来ないのか!)


 大切な人が危機に晒されても自分は何も出来ない、そんな歯がゆさが胸を締め付ける。


(サクラさん、そしてエレナと約束したんだ。必ず守るって……約束したんだ!)


「リィン……助けて……」
「殺れ」
「「「はッ!」」」


 そして猟兵達が引き金に指をかけたのが見えた、必死でもがくが子供の僕では大人のこいつらを振りほどくことは出来ない。


(悔しい……僕はなんて無力なんだ……)


 空の女神、この際悪魔だっていい、この状況を打破できるなら僕の全部をくれてやる……だから力をくれ、こいつらを倒せる力を……!!








『……イイダロウ、貴様ニ力ヲクレテヤル。ソノ代ワリ貴様ノ全テハ我ノ物ダ』







「ガァァァァァァァッ!!!!!」
「な、何だ!?」

            
 頭の中に突然声が響いたと思うと突然僕から膨大な闘気が流れ出した、辺りが震えるかのような感覚に襲われ僕の意識は
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