第3話 戦う意味
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ーマー)を身に付けているからさっきの話にあった猟兵達のようだ。
「ターゲットはいたか?」
「いや、こちらにはいなかった、まさか逃げたのか?」
「いや、さきほど例のターゲットが町に入るのを偵察隊が確認した、奴は必ずこの町にいるはずだ」
「もっと注意深く探そう」
「ああ」
猟兵達は別の場所に歩いていった。
「例のターゲット?それって何なんだろうか……」
「……」
「エレナ?」
「……もう疲れたわ」
「えっ?」
エレナはゆっくりと立ち上がりそう呟いた。
「もう疲れたのよ、どうしてあの人たちは私の大事なものばかり奪っていくの?お父さんもお母さんも…姉さんまで……もう生きてるのが辛いよ!」
エレナは側に落ちていたガラスの破片を拾い首に当てた。
「……ッ!駄目だ、エレナ!」
とっさに僕がガラスの破片を掴んだ、後一歩遅かったらガラスはエレナの首を切り裂いていた。
掴んだ手がガラスで切れ赤い血が滴る。
「放して!もう死にたい!もう一人ぼっちなのよ!生きていても意味なんてないわ……!!」
「そんな事はない!」
僕はエレナを優しく抱きしめた。
「……リィン?」
「ごめん、僕にはこうすることしかできない……」
最愛の人を亡くしたエレナの悲しみを消すことは出来ない、でも少しでもいい、彼女の心の痛みを和らげたい……僕はそう思った。
「エレナ、君を死なせない。サクラさんと約束したからじゃない、僕が君に死んでほしくないんだ……約束する、何があっても君の側にいる、僕が君を守るから……」
「……本当に守ってくれる?私を一人にしないって約束してくれる?」
「うん、約束するよ、絶対に……」
「リィン……ありがとう」
少しでもエレナの力になりたい、そんな僕の思いを感じとってくれたのか、エレナは少しだけ微笑んでくれた。
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「とにかく今は奴らに見つかる前にここを脱出しよう。行ける?」
「うん、貴方を信じるわ」
先ほどの抱擁で落ち着きを取り戻したエレナに僕は今すべきことを伝える。敵の狙いは薄々感じていたがおそらく僕だろう。
先ほど奴らが言っていた「例のターゲットが町に入った」という言葉……先ほどこの町に来たのは自分とエレナだ、唯の一般人であるエレナが狙われるとは考えにくい、となれば残る自分こそ奴らのターゲットだろうと僕は考えていた。
養子とはいえ僕はお父さんの息子だ、お父さんに恨みを持つ者からすれば絶好の標的だ。実際前にも一回襲われたこともある。
大方自分を人質などに利用しようと考えてるのか
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