第3話 戦う意味
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「あ、リィン」
最初にエレナと出会った花畑、きっとそこにエレナがいると思ったがどうやらあっていたみたい、エレナは花冠を作りながら嬉しそうに僕の傍に駆け寄ってくる。
「もうリィンったら三日も会いに来てくれなかったから寂しかったわ」
「そ、それは……じゃなくて何でまたここにいるの。また魔獣に襲われたらどうするのさ」
「えへへ、その時はリィンが助けてくれるでしょ?」
「もう……でも会いにこなくてごめんね」
少し呆れたように呟くが実際お父さんとの件でエレナに会いに行けなかったのは事実だ、僕はエレナに謝る。
「でもどうして会いに来てくれなかったの?」
「実は……」
僕はそろそろこの地を離れなくてはならないことをエレナに話した。
「そうなんだ、寂しくなるな……」
「……ごめん」
「謝ることなんて無いわ、また会いに来てくれるでしょ?」
「うん、それは約束するよ」
「ふふっ、その時はまたお話を聞かせてね」
「……エレナ、実はまだ君に言っていなかったことがあるんだ」
「えっ、なにかしら?」
「実は、僕は猟へ……」
エレナに話そうとしたその瞬間、遠くからズガァァンと何かが爆発するような大きな音が響いた。
「……今のはまさか!?」
突然の轟音に僕は驚いた、何故なら今の爆発は猟兵が好んで使う重火器から出る爆発音だったからだ。
「今のは一体?町から聞こえたけど……」
「リィン、あれ見て!」
エレナが指差したのは町のほうだった、そこからはさっきまで無かった黒い煙が上がっていた。
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「こ、これは……!?」
僕達が見たもの、それはさっきまでの綺麗な町では無く崩れた瓦礫と燃え盛る炎が上がる地獄絵図だった、そんな、さっき来たときは平和そのものだったのに一体何が起きたんだ?
「酷い…町の人達もお構いなしに……」
「そ、そんな……姉さん!!」
「あ、エレナ!」
姉であるサクラさんの安否を心配したんだろう、エレナは自分の家に向かい走り出した、僕も慌ててエレナの後を追いかける。
道中目に映る町の光景は酷い荒様だった、建物は瓦礫と化しそこら中に息絶えた人たちが倒れていた。つい数時間前まで普通に生きていた。だがたった一瞬でその命は奪われつくしてしまった、その中に僕達はある人を見つけた、見つけてしまった……
「あ、あれは!」
「姉さん!?」
倒れていたのはエレナの姉であるサクラさんだった、その身体中からは血が流れ意識も朦朧とした様子だった。
「姉さん、しっかりして!」
「……うぅ、エ、エレナ……
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