第3話 戦う意味
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そして数日後……
「………」
森にある花畑…そこには小さな墓が二つあった、エレナとサクラさんの墓だ。僕はエレナが好きだったこの花畑に墓を作った、彼女の大切な家族と一緒に……
「やっぱりここにいたか」
「……お父さん」
そこに現れたのはお父さんだった、僕の隣に立ち手を合わせた。
「今回はすまなかった、俺がもっと早く気づいていれば……」
「いいんだ、お父さん。結局僕は彼女を守れなかった、それは変えようの無い現実だ」
「…………」
「……お父さん、いや団長、貴方にお願いがあるんだ」
「………何だ、言ってみろ」
「僕を猟兵として鍛えてほしい」
「……!」
お父さんはじっと僕を見た、今まで見た事もない真剣な表情で俺を見つめていた。
「何故猟兵になりたいんだ?」
「強くなりたいんだ」
「なら悪いことは言わねえ、猟兵だけは止めておけ」
お父さんはキッパリとそう言い放った。
「猟兵は表で生きていけなくなった人間か戦う事でしか生きていけない異常者がなるモノだ。強くなりたいんだったらエレボニア帝国で剣術でも習えばいいだろう、アルゼイド流やヴァンダール流っていう有名なモンがあるし剣術がイヤなら泰斗流っていう武術もあるぜ。なんなら遊撃士だっていいんじゃねえか?魔獣と戦って実戦もこなせるしな」
「猟兵がいいんだ」
「あのなぁ……分かってるのか?猟兵はミラさえ貰えばなんだってする腐れ外道だぞ?殺しも誘拐もなんだってやるんだ。お前にそんなことが出来るのか?」
「やるさ。それが必要ならば僕は……」
「いい加減にしろ!」
お父さんの拳が僕の頬を殴りぬいて大きく吹っ飛ばされた。口の中が切れて血の味が広がっていく。
「テメェ、自暴自棄になってんじゃねえぞ!あの子を守れなかったからって自分を苦しめても何も解決しないだろうが!」
「僕は……僕はあの男を殺せなかったんだ!」
本気でキレたお父さんに僕は必至の形相でそう言い放った。
「もし僕が確実にアイツを仕留めていたらエレナは死ななかった!エレナを死なせたのは僕の甘さなんだ!」
「それは……」
「世界は残酷だ、優しさだけじゃ何も救えない……誰かを守るには誰かを傷つけるしかないんだ。弱気を守る遊撃士や高潔な騎士じゃなくて……相手を殺してでも生きようとする猟兵じゃなきゃ……僕は……」
「リィン……」
僕は泣きじゃくってそう叫んだ。あの時暴走していたとはいえ僕の頭の中には相手を殺す選択が無かった、話し合いで納得するような人間じゃないって既に分かっていたのに僕は戦闘不能にしかしなかった。その隙を突かれてエレナは死んだんだ。
「……お前の覚悟は分かったよ、よ
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