第3話 戦う意味
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「今までの人生で、そんな情けない事を言って死んだのはお前が初めてだ……」
平和な街を滅ぼした〈破滅の刃〉、それを率いた敵団長の最後は余りにもあっけなかった。
「マリアナ、その子の容態はどうだ!」
「急所を撃たれているわ、これはもう……」
「そんな!?ぐっ、俺がもっと早く来ていりゃ……!」
カタを付けたお父さんはマリアナ姉さんにエレナの容態を確認する、だが帰ってきたのは非常な言葉だった。
「エレナ……どうして君が……本当なら僕が死ななくちゃならないのに……僕のせいでこんな、こんな……」
「リィン……」
「エレナ!?」
僕は自分の名前を呼ぶエレナに駆け寄る。
「リィン、貴方は何も悪くないわ。自分を責めないで……」
「全部僕のせいだ!僕さえいなければ奴らは町を襲わなかったかもしれない……全部僕のせいで……」
「そんなことないわ、私は貴方と出会えて…沢山の宝物を貰った。貴方と過ごした時間は……私にとって
何よりも……大切な物だったわ、だから貴方がいなければいいなんて言わないで……」
エレナは血の付いた右手で僕の頬を触る、僕はその手を取って涙を流した。
「でも僕は君を守れなかった。結局何も出来なかった……サクラさんと君と約束したのに……」
「貴方は最後まで私を守ってくれた……どんなに傷ついても……こうなったのは私が望んでしたこと……」
「……どうして、どうして僕なんかを助けたんだよ?」
「貴方は私の大切なお友達だから……体が勝手に動いちゃった……」
「エレナ……」
段々と僕の手を握る力が弱くなっていく、嫌だ……こんな結末なんて……!
「ねえリィン……私ね、貴方と旅がしたかった。貴方といろんな所に行きたかった……」
「行けるよ!いくらだって行ける!だから諦めるなよ!」
「ふふっ、そうね……行けるよね……貴方と……いっしょに……」
「エレナ……嘘だろ!目を開けてよ!一緒に旅しようって約束したじゃないか……エレナ、エレナぁぁぁぁぁぁぁッ!!!!!」
僕は動かなくなったエレナの手を握りながら号泣した、お父さんは悔しそうに俯きマリアナ姉さんもまた涙を流していた。
西風の旅団と破滅の刃……その決着はあまりにも悲しい結末で終わりを迎えた。
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―――――あの後西風の旅団は破滅の刃を壊滅させ代理戦争に勝利、見事依頼者を勝利に導いた。
その後僕達は報酬を受け取りそのお金で今回犠牲になった町の人たちの墓を作った、自分達が原因でもある今回の惨劇…決して許されはしないだろう、だが少しでも罪滅ぼしになれば…そう思ってのことだった。
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