第3話 戦う意味
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、いるはずが無い、何故……何故此処にいるんだ!」
男に声をかけた者、それは僕がこの世で一番尊敬する人物……
「お父さん……!」
〈猟兵王〉ルトガー・クラウゼルだった。
「マリアナ!早くリィンとその子を手当てしろ!」
「了解!」
お父さんだけでなくマリアナ姉さんも駆けつけてくれた。
「姉さん、どうして此処に……!」
「ルトガーが胸騒ぎがするからって向こうはゼノ達に任せて駆けつけたの。ルトガーの勘は信じられないほど当たるから来てみれば……ごめんね。遅くなって」
「姉さん、エレナが、エレナが……!」
「分かってる、すぐに応急処置をするわ!」
姉さんは戦術オーブメントと呼ばれる道具を使い回復の魔法をエレナにかけた。
「き、貴様はルトガー・クラウゼル!?何故ここにいるんだ!」
「胸騒ぎがしたから駆けつけた、それだけだ」
「そんな非科学的なことがありえるか!」
「んなこたどうでもいいだろ?テメェ……なんも関係ないこの町の人たちを、そして俺の大事な息子を傷つけやがって……」
「ぐッ……ま、待て!落ち着くんだ!」
「ふざけてんのか?ここまでしといて見逃すとか思ってんなよ?」
「思っていないさ、何故なら……」
敵団長の男は、懐から何かのスイッチを取り出した。
「切り札は最後まで取っておいたからな!」
「!?」
男が左手で何かのスイッチを押した瞬間お父さんの周りの地面が爆発を起こした。
「お、お父さんッ!?」
「はッ!いざという時の為に爆弾を仕掛けておいたのさ、それもA級遊撃士が対応するような魔獣すら葬りさるほどのな。流石の〈猟兵王〉とて無傷ではいられまい!」
男はそういって逃げようとするが……
「―――――ぎゃあ!?」
急に地面に倒れてしまう、よく見ると男の左足が膝からすっぽりと消えていた。
「―――――!あ、足がァァァァァッ!?」
男の左足が無くなっていた……いや、斬られていたのだ、痛みも感じないほど早く鋭い斬撃で。
男は腕を失ったときよりも大きな痛みで辺りをのたうち回っている、こんなことが出来るのは一人だけだ。
「逃がすかよ」
そこに爆発に巻き込まれたお父さんが立っていた……ジャケットが少し焦げただけで全くの無傷だ。
「馬鹿な……大型魔獣すら葬りさるほどの威力を誇る爆弾だぞ!?息子共々化け物か!」
「随分と足掻くじゃねえか、猟兵なら覚悟決めろよ?」
「い、嫌だ……俺は死にたくない……!」
「……」
「た、頼む、助け……」
男はそれ以上話すことはなかった、お父さんの斬撃でバラバラに斬られたからだ。
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