暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはINNOCENT 〜漆黒の剣士〜
第17話 「チヴィット」
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顔を背ける……という行動を繰り返している。
……あぁ、自分のチヴィットが男に持たれてるっていうのが恥ずかしいのか。確かに俺もクロが誰かに持たれてるのを見ると恥ずかしいしな。ここはフェイトに返す……のは無理そうだな。何だかクロに夢中みたいだし。となると……
「……ディアーチェ」
「ん?」
「この子預かってくれ」
「は? なぜ我なのだ。ユーリの手も空いておるだろう」
「いや、お前ってこういうの好きだと思って」
実年齢よりも大人びているが、ディアーチェもまだまだ年頃の女の子だ。可愛いものに興味はあるだろう。
そう思っての発言だったのだが、誤解をさせてしまったのかディアーチェは顔を真っ赤にしながら怒り始める。
「ば、馬鹿者! わ、我はもうそのようなものを愛でるような年ではないわ!」
「あれ? ディアーチェ、このまえ……」
「なっ!? ユ、ユーリ見ておったのか。ちち違うぞ、あれはあちらのほうから構ってほしいと近づいてきたのだ。決して我から近づいたというわけではなく……!」
相変わらずディアーチェはユーリに弱いな。……という俺もユーリには弱いのだが。一般的に恥ずかしいこともストレートに言う子だから。
「……この子どうするかな」
「ショ、ショウさん、私の持ってるフェイトちゃんのと変えましょう!」
「え、ちょっなのは!」
「止めないでフェイトちゃん!」
「ううん、止めるよ!」
…………この子達は何をしてるんだろうか。
自分のチヴィットをそんなに持たれたくないのか。まあ早い子なら思春期を迎え始める頃かもしれないし、年上の男に持たれるのは嫌かもしれないが。
でも……それならクロを俺に返してくれれば丸く収まると思うんだよな。そんな簡単なことが分からないほど慌ててるみたいだけど。俺が話しかけると余計にパニックになりそうだし……。
「アリシア達、誰かチヴィットを変えてくれ」
「しょうがないな〜、ならわたしのチヴィットと変えてあげよう。わたしのチヴィット可愛いでしょう?」
「そうだな」
「うんうん……わたしは?」
「アリシア・テスタロッサ」
「そのとおり! って違うよ、可愛いかどうか聞いたんだよ。分かってて惚けるのはひどい!」
「あぁ……カワイイカワイイ、小さくてカワイイ」
「投げやりに言うなぁぁぁッ!」
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