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普通だった少年の憑依&転移転生物語
【東方Project】編
060 おいでませ日生(ひなせ)村 その1
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。村長はそんなシホを宥めながら更に続ける。

「……それが1つで、もう1つの理由は徴兵≠セ。……その徴兵の理由も、さっきの1つ目と無関係に非ず、ここ最近どうやら都の方で多数の妖怪が暴れているらしくてな、それで村の若い衆は徴兵されている。……村に残ったのは自分の様な年寄りと、妖怪≠ノ拐われる様な年頃ではないシホの様な子供達だけ…。……以上がこの村に活気が無い理由だ」

「……そうですか…。……ああ、話は変わりますが…この村には宿は有りますか?」

「ああ、有る。後でシホに案内させよう」

知りたかった事──この世界≠フ情勢も知れたので、そこらで話を切り上げ──金の延べ棒の出所≠ノついてはうやむやにし、シホに宿へと案内してもらった。

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

「まさか平安時代(?)にタイムトラベルしていたとはなぁ…」

シホに案内してもらった日生村の唯一の宿、【うたたね亭】の一室で現状を噛み締める様に独りごちる。……ちなみに代金は、倉庫≠フ中にいつの間にやら矢増ししていた金を──貨幣偽造≠承知で村長宅で見せてもらった小判の形に加工し、その金判(金で出来た小判)で大体半月分の宿代を先払いにした。

「……さて、情報を整理しようか」

まず1つ。ハルケギニアのヒラガ公国の、俺が退避用≠フ名目で隠し持っていた別荘の自室──勿論の事ながら(?)室内で寝ていたら、いつの間にやら日生村の東側にある林で寝ていた。とりあえずは一種の転移(トリップ)≠ニ暫定。……ドライグも何が起こったか判明出来てない模様。

次に、先ほど軽く触れたがここはハルケギニアでは無く、地球の日本。それは確定。先ほどシホと別れてから、ドライグに翼≠展開してもらい、上空から確認したところ、現代──平成的な地理に当て嵌めて大体の現在地が、秋田県(?)の周辺だと判明した。

最後に、この世界≠ノは妖怪≠ネどの異常≠ェ存在している。……この世界≠ナ一番最初に会ったシホと云う少女も混じり子>氛泱^犬の夜叉や、某奴良組のクオーターな若頭の父親みたいな半妖≠轤オい。……妖怪は人間を拐い、拐った人間は(もっぱ)ら喰う≠轤オく、妖怪≠ヘ人間≠フ天敵らしい。……そう考えると、混じり子>氛气Vホの様な存在は珍しいのだろう。

「……情報、少ないな…」

……と、これ以上思考を巡らすのは文字通りの余計な詮索≠ネので打ち切る。……“答えを出す(アンサートーカー)”も、自分が知りたい事もハッキリとしていないのでボツとする。

「……さてドライグ、少々余計なお節介≠ニいこうか」

<……やれやれ、相棒も物好きだな…。だが判った。相手次第では、久々に俺も暴れられそうだしな>

【うたたね亭】
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