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無欠の刃
下忍編
影分身
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を観察するという挙動は何もおかしいものではない。
 が、自分の傀儡人形とポケットに入っている謎の小瓶に、しきりに視線をくれているのは違和感の一言に尽きる。

「…気をつけろ。多分、彼奴、お前になんかする気だぞ」
「なんか、って?」
「分からねぇ…。が、俺の対戦相手に関係あることの様だぜ」

 ちらりと、今度は我愛羅に視線を向ける。
 発動した写輪眼は我愛羅の動き一つ一つを見抜き、違和感の正体を看破する。

「…気分、わるそう?」
「というよりは、意識がもうろうとしてるんじゃねぇのか。さっきから視線が出鱈目な方向に向いたり、瞳孔が開ききってる時がある。…普通の時もあるみてぇだが。とってる挙動は寝不足の時と似てるな」
「ねぶそく…」

 心配そうに我愛修羅を見たカトナに、しっかりしろとサスケは頭をはたいた。
 同じ人柱力であるからか。割とカトナは我愛羅に対して、同情的というか優しい。
 ナルトと年が近いというのもあるだろうし、自分と同じように姉がいるというのもあるかもしれない。
 弟を守らなければいけないということが身に染みているカトナにとって、他人とはいえ弟であり年下である我愛羅にはつい気にかけてしまう。
 その気持ちは分からないわけではないが、今はそれ以外に気を受けるなと、油断をするなよとの思いを込めて背中を叩く。

「彼奴の心配より、自分の戦いに集中しろ」
「分かってる」

 頷いたカトナの名前が呼ばれる。
 カトナは迷うことなく、そこから飛び降りる。
 ぎょっと、普通にその場に来ていたカンクロウが目を見開いたが、カトナは気にすることなく、着地するときの衝撃を大太刀を地面につきたてることで殺す。
 そのままくるりと宙返りし、足を地面につけると、今度はその力を逆に利用し、大太刀を地面から引き抜く。
 見事なまでに洗練された動きを見せつけた後、ちらりと審判を伺う。
 ゲンマははいはいと頷きながら、それではと腕を上げた。

 「うずまきカトナ対カンクロウ、試合、始め!!」
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