下忍編
影分身
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らない。
きりがないと、苛立ちからネジが僅かに目を見開いた時。
煙の中から、勢いよく手裏剣が飛んできた。
「…風魔手裏剣!!」
投げられた手裏剣を咄嗟に避けた時、その手裏剣の下にあった、もう一枚の手裏剣がネジに向かう。
咄嗟にネジがその手裏剣を掌底で弾いた時、先程ネジに避けられた手裏剣がぼふん、という音とともに煙を上げる。
白眼でそれをとらえていたネジは慌てることなく回転を放ちながら、思考の端で今行われていたことを分析する。
二枚の手裏剣を一枚の手裏剣のように見せて投げることで、一枚目の手裏剣をかわしても二枚目の手裏剣が襲う、影手裏剣の術。
だがしかし、一枚目の手裏剣は本物だが、二枚目の手裏剣はナルトの影分身が変化していたのだろう。白眼は全方位からの攻撃に対応できるが、突然現れたナルトに驚愕し、身動きが取れなくなるということを想定して行われたのだろう。
しかし、それは浅はかだったと言わざる負えない。
ネジの白眼は経絡系を見抜くのだ。例え、影分身が変化の術をしていようと、その程度は容易く見抜ける。
中々、策略としては上出来だったとおもいながらも、回転を止めたネジは辺りを見回す。
360度、どの方向からの攻撃にも対応でき、相手がどこにいようと探れる白眼は、なるほど確かに優れているだろう。
ただし、裏を返せば、それは視野が極端に広いというだけのことだ。
一点集中して見れないのであれば、一度見たものからずっと目を逸らせないのでなければ、視たい場所に視線を向けなければ、見えないのでは意味がない。
その程度では、彼女の術は崩れない。
突然、ネジは自分が立っている場所に違和感を感じた。
何かが起きた、というわけではない。
何故、自分が違和感を感じたのかもわからない。
その時、ふとカトナと戦っているときの妙な感覚を思い出して。
ただ、本能的に彼はその場で跳ぼうとして。
それより早く、ナルトが地面から飛び出た。
予想外の場所からの攻撃。白眼で見通していた筈なのにという衝撃。何よりもどうして彼がそこに居るかがわからない。
その時、発動していた白眼が、影分身たちで見えないように隠された穴を発見する。
彼ならば、気が付けたはずだったのに。彼ならば、分かることが出来たはずなのに。
どうしてか気が付かなかった。
まるで意識を逸らされたように、知らないうちに目を背けたかのように、その存在に気が付かなかった。
咄嗟に行おうとした回転は、しかし、先程行ってしまったがゆえに、発動には時間がかかり、迎撃は不可能。
何とか体を逸らそうとするが、待ってましたと飛び掛った影分身に動きを封じられる。
「しまっ…!!」
無防備な顎に向かって放たれた鋼鉄の拳が、体の芯まで届
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