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戦闘城塞エヴァンゲリオン
第3話Aパート『あなたが守った街で』
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て、店の前に停車する。おや。とヒデオが思ったのは、見たことのある車だったから。名前は知らないが、他ではあまり見られない外車らしき車で。
やはり、運転席を降りたのは、葛城ミサトだった。彼女も店に入ろうとして。こちらに気付く。

「あれー?ヒデオ君じゃない。どうしたのっ…て、この店に来た以外ないか」
まあ、他に店の類も無い住宅地と山林の合間のような場所だ。

「酒好きにとっては、知る人ぞ知るっていうような店なのよ、ここ。」
そう言うからには彼女もその酒好きの一員ということになるが。

「で、女の子二人も連れて、どーゆー関係?」
ウィル子と美奈子のことだろう。同じアパートの住人だと答える。ウィル子は同じアパートどころか同室なのだが、そこは誤魔化す。嘘は言っていない。
大家さんの厚意で買い出しに車を出してもらい、今は大家さんの買い物待ちであることもあわせて答える。

ミサトのことを、ネルフの職員で上司にあたる人物であると、美奈子とウィル子に一応紹介する。ウィル子はミサトの事を知っているが、ミサトの前に姿を現したことは無い。
女性同士であるということもあり和やかな雰囲気で挨拶を交わす。

ちょうど、買い物を終えた大家さんが戻ってきて。

「おおっ!?」
ミサトが驚きの声を上げるので、大家さんのネコミミに注目しているのかと思えば、視線は彼女の抱える日本酒と焼酎のビンに注がれている。結構いいお酒であるらしい。

大家さんにも彼女を紹介すると同様に挨拶をかわすと、結構な量を買い込んでいることを質問するミサト。視線は酒ビンを追ったまま。
これからヒデオらと親睦会を開くと大家さんが答えると、軽くショックを受けたように。ヒデオに向き直る。

「…きれいな女の子たちと一つ屋根の下とかっ。一緒に親睦会とかっ。めったに手に入らない数量限定純米大吟醸酒とかっ。
何っ?何なのっ?リア充なのっ?」
みるからに、羨ましそうに。漫画だったら血の涙を流し黒いオーラを纏って描写されそうな。
ところで、どうだろうか。リアルが充実しているとか。まったく無縁なのだが。

「参加しますかニャ?」
「えっ!?マジで!?いーの?」
音速で大家さんに聞き返すミサトさんに若干、汗&苦笑いで。

「食材は多めに買い込んでますニャ。それに私も、アパートの住人じゃない友達を誘ってますしニャ」
おお女神様。とでも言うように大仰に平伏すミサト。

目に見えて浮き足立つミサト。思っていた以上に、愉快な性格の人物であるらしかった。



と、その時、街にサイレンが響いた。何事かとヒデオが思うが、意外にもミサトと大家さんは驚いていない様子で。

サイレンの鳴った方角を見ると、都市のあちこちで道路や建物にかかっていた防御隔壁が開くところだった。

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