マブラヴ
ゲート 自衛隊彼の地にて、斯く戦えり
0932話
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ら異常ないぞ』
「だろうな。敵の主戦力はこっちに向かってきているから」
『へぇ』
俺の言葉に短く返事をするムウ。
その言葉に心配の色が全くないのは、俺の戦力をよく理解しているからこそだろう。
『けど、じゃあ今は忙しいんじゃないのか?』
「そうでもない。何でか分からないけど、ロゥリィがこっちに向かってきて敵に突撃していってな。敵の中でハルバートを振り回して縦横無尽に暴れ回っているから、こっちも迂闊に動けない」
『おい、ちょっと待て。あの嬢ちゃんがアクセルの所に行ったって事は南は……』
俺の言葉の危険性に気が付いたのだろう。小さく息を呑んで呟くムウ。
この辺の察しの良さは、さすがにそれなりに長い期間俺と一緒に行動してきただけの事はある。
SEED世界のヘリオポリスから、連合を抜けてオーブやシャドウミラーと合流し、その後はシャドウミラーに……というのを考えると、何だかんだでムウとの付き合いも随分と長い。
「ま、そういう事だ。現在南の城壁にこっちの戦力は誰もいない。いやまぁ、元々のイタリカの戦力ならある程度いるだろうが」
だが、イタリカの戦力はあくまでも徴兵された者達がメインだ。正規の軍隊だった盗賊達と比べると、練度の差は明らかだろう。
「って事で、今そっちが暇してるんならムラタを南に向かわせてくれ。一応南は本命とされていたんだから、敵がいる可能性は十分にある。それにムラタにしても、敵が来ない状況で待たされているだけってのはストレス溜まるだろうし」
『そうだな、分かった。南の城門に向かわせる』
それだけを告げ、通信を切るムウ。
イタリカはかなり大規模な交易都市であり、当然その大きさも広大だ。だが、今の……瞬動を使えるようになったムラタなら、北の城門から南の城門に向かうのはそれ程時間が掛からないだろう。
さて、そうなると後は盗賊共だけだな。
イタリカに向かってきていた前衛型の盗賊に関しては、もうロゥリィに任せてもいいだろう。こうして見る限り、今の状態でハルバートを振り回して縦横無尽に暴れているし。
となると、残るのは後衛部隊か。
ちなみに最初に炎の壁というのが余程意外だったのか、あるいはその後に起きた炎獣の蹂躙、ロゥリィの暴れっぷりか、ともあれ今では散発的ににしか弓や魔法を撃ってきてはいない。
……いや、こうして見る限りでは数が減っているようにも見える。
やばいな。勝ち目がないと判断して逃げ出した奴がいるのか?
ここで下手に奴等を逃がせば、また盗賊がこの地域を闊歩する事になる。このイタリカという場所の重要性を考えると、それはちょっと遠慮したい。
「俺が片付けるしかない、か」
呟き、暴れまくっているロゥリィの姿へと視線を向ける。
そこでは盗賊達がロゥ
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