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転生とらぶる
マブラヴ
ゲート 自衛隊彼の地にて、斯く戦えり
0932話
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炎獣に、盗賊達の意識は一瞬理解を拒むかのように惚け……次の瞬間にはその隙を突かれて炎獣の牙を突き立てられ、あるいは前足の一撃で、はたまた胴体を締め付けられ……酷い者になると、白炎によって身体中が燃やし尽くされて命を散らす。
 瞬く間に前衛部隊の半数近くが燃やし尽くされて命を落とし、あるいは手足を失い、それ以上の戦闘は不可能となる。
 いや、手足を失ったのだから、戦闘が不可能になるだけじゃなくてこれからの人生にも大きな障害を負うだろう。

「まぁ、それもここで生き延びる事が出来たらの話だけどな」

 手を大きく振るい、それに沿ったかのように俺の視線の先で炎が生み出され、地面に崩れ落ちている者達が纏めて燃やし尽くされていく。
 周囲に漂うタンパク質の焦げた匂い、あるいは装備していた武器や防具が焦げる匂いに微かに眉を顰め……だが、次の瞬間大きく目を見開く事になる。
 かなりの速度を出しながら、何かがこちらへと向かってくることに気が付いたからだ。
 それもイタリカの周囲にある草原ではなく、城壁の上をだ。
 一瞬、他の城門が敵に突破されたのか? そうも思ったが、こっちに近づいてきている人物が小柄であり、黒いゴスロリを着て、身の丈以上のハルバートを持っているのを見れば、それが誰なのかは一目瞭然だった。

「いや、そうじゃなくて」

 お前には南の城門を任せていた筈だろうに。何でここにいる?
 そんな俺の疑問を嘲笑うかの如く、ハルバートを手に跳躍するロゥリィ。
 その黒いゴスロリの服を風にたなびかせ、跳躍した勢いすらも乗せた一撃をまだ生き残っていた盗賊の1人へと叩きつける。
 まるで高い場所から落とした水風船の如く、不幸な盗賊は頭部を破裂させ、周囲に血と肉と骨と眼球と脳みそと体液を撒き散らす。
 そのまま地面に着地したロゥリィは、ハルバートを振り回しつつ周囲にいる盗賊へと襲い掛かる。
 ちっ、こうなるともう魔法は使えない。幾ら不老不死といっても、巻き込む訳にはいかないしな。
 ロゥリィはまるで酒に酔っているかのように……より正直に言うと、何らかの違法薬物でもやっているかのように非常にハイテンションな様子でハルバートを振り回しては周囲の盗賊達を斬り、砕き、叩きつけ、破壊していく。
 取りあえずロゥリィがここにいるって事は、南の城門の戦力が足りない訳で……
 いや、ここにいるのが盗賊達にとっては殆ど全ての戦力に近いのを考えると、寧ろここ以外は安全……駄目だな。陽動の可能性も捨てきれないし、少しでも向こうに戦力を回しているというのもありえる。
 そうなると、向こうに回せる戦力は……やっぱり北か。
 ロゥリィの暴れている様子を見ながら、再び通信機を手に取る。

「ムウ、いいか?」
『ん? 何だよ。こっちは全く敵の姿は見えないか
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