マブラヴ
ゲート 自衛隊彼の地にて、斯く戦えり
0932話
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沌精霊としての力で空中に炎の壁とでも呼ぶべきものを作り出す。
飛んできた矢はそのほぼ全てが炎の壁へと触れ、鏃の金属がドロリと溶け、あるいは木の部分が炭と化す。
背後から聞こえてくる驚愕の声が含まれたざわめき。
そして……
「ぎゃああああああああっ!」
「熱っ、熱い!」
「うわ、うわああああああぁあぁっ!」
「気をつけろ、敵に魔導士がいるぞ!」
城壁の向こう側から無数に聞こえてくる悲鳴。
いやまぁ、背後から矢の援護受けつつイタリカの中に入ろうとしていたら、いきなり上空から矢の残骸や真っ赤に焼けた鉄とかが降ってきたのだ。まさかそんな風になるとは思っていなかったのだろうから、それも当然だろう。
そんな混乱している盗賊達に対して、俺は城壁の上から大声で声を掛ける。
「ようこそ、盗賊諸君。いや連合諸王国軍の残党と言った方がいいか? アルヌスの丘で惨めに負けたお前達の気持ちは分からないでもないが、だからと言って盗賊家業に身を染めるのはどうかと思うがな」
「ふ、ふざけんなぁっ! てめぇ、一体なにもんだ!」
「これから死ぬお前達に教えても意味はないだろ? 何も知らないまま……死ね」
その言葉と共に俺の影から影槍が伸び、空間すら斬り裂く程の速度で放たれる。
俺と言葉を交わしていた男は自らに向かってくる影槍に気が付くも、持っていた長剣を持ち上げようとしたところまでが限界だった。
10本以上の影槍により身体を貫かれたその男は、言葉を発するでもなくバラバラに斬り裂かれ、手足や内臓、肉、骨、血といったものが地面へと散らばる。
『……』
さすがに今の光景は予想外だったのか、何が起きたのか分からない様子で一瞬動きの止まる盗賊達。
昼に襲撃していれば、まだ対処のしようもあったんだろうが……残念ながら、今は夜。これ以上ない程に影操術を有利に使える時間帯だ。
「ほら、どうした? こっちは俺1人だ。なのに黙って見ているのか? 盗賊としての矜持を見せてみろ。……もっとも、そんなものがあったらの話だがな」
嘲弄する言葉で我に返ったのだろう。盗賊達の1人が声を上げる。
「怖じ気づくな、所詮敵は1人だ! 数で押し込めば勝てる!」
その声で他の盗賊達も俺が1人であるのを思い出したのだろう。喚声を上げながら恐怖を無理矢理に忘れ、城壁へと走り寄ってくる。
だろうな、そうでなければ面白くない。だが……
「確かに俺1人なのは事実だ。けど、それが戦力の全てだと言ったつもりはないんだがな」
右腕を白炎と化し、そこから放たれる複数の炎獣。
獅子、虎、狼、馬、牛、蛇といった巨大な複数の炎獣が生み出されてはこちらへと向かってくる盗賊達へと襲い掛かる。
突然目の前に現れた白炎で作り出された
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