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101番目の舶ィ語
第十四話。再会と神隠しの噂
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族は代々『便利な女』を極めた一族ですので、ご主人様にご奉仕するのならやはり私こそ……」

「絶対、駄目ですー??」

「野良犬は引っ込んでろー??
お兄ちゃんは私だけのお兄ちゃんなんだー」


……何だこれ?

この日の争いは深夜まで及んだ。
この間、色々な話し合いが彼女達の間であったようだが、途中で寝ちまった俺はその内容を詳しく教えてもらう事は出来なかった。
翌朝には……『兄さんはまだ知らなくていい事です。普通に日常を送れるように私がきちんと身の回りのお世話しますから』と理亜に言われ、『お兄ちゃんは私が守るから知らなくても問題ないよ?大丈夫! お兄ちゃんの周りに群がるハイエナは私が退治するから……だから私だけを見て?』とかなめが言い、『ご主人様、ご自宅の家事などは私が担当しますからねっ!ご主人様が気持ちよく過ごせるように最適な環境を作ってみせますから』とリサが言ってきた。
どうやら3人の中で役割分担が出来たようだ。
理亜が俺の身の回りの世話係りで、かなめが護衛役、リサが家事担当のようだが……なんでだろう。
なんとなく、不安になるな。
特にかなめが……。
かなめにどうやってこの世界に来たのか、と聞いたがはぐらかされた。
『今はまだ言えない』の一点張りだった。
一之江の攻撃を回避した手段についても『そういうロアだから……』というだけで、詳しくは教えてくれなかった。


と、まあ。こんな感じで日常を過ごした俺はその翌日。
俺は1人で生徒会室にいた。




2010年6月3日。夜坂学園生徒会室。

音央や一之江と一緒に『富士蔵村』に入ってから、2日が過ぎた。

「念のため昨日も、日没と同時に入りまくっても何もありませんでした」

と昨日、一之江と確認した内容を、詩穂先輩に報告した。

「そっかー、良かったぁ……モンジくんやみずみずがいなくなっちゃったら、と思うともう、夜も眠れなかったよー、ぷはぁー」

詩穂先輩は胸に手を当てて、安堵の息を吐いた。
豊か過ぎるその胸に手を当てた先輩を見てしまったせいで……また、血流が昂ってきた。

(くっ、あれは先輩じゃない。先輩じゃない。
ジャガイモ、ジャガイモだ。断じて先輩の胸じゃねえぇぇぇ??)

ヒステリアモードを防ぐため、先輩をジャガイモと思って会話を続ける。

「既に新聞部には手配済みです。翌日か、翌々日には校内に張り出されるはずですよ」

「お、ありがとうね、音央ちゃん」

「いえ。モンジ達のおかげですから」

音央は先輩にペコッと、頭を下げてから告げた。
因みに一之江は欠席だ。彼奴が頻繁に休むのはいつもの事で慣れているが、昨日あんな事があったせいで、その原因が俺やかなめにあるのではないかと不安になってしまう。
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