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101番目の舶ィ語
第十三話。一之江の秘密
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ほど」

一之江は納得したようにワンダーパークの中を見て。

「今度は一緒にキリカさんも連れてくればいいじゃないですか」

口元に笑みを浮かべて、振り向いた。

「お?」

「なんですか?」

「ああ、いや。うん」

コイツがキリカと一緒に、なんて言ってくるのは珍しい。
基本一之江はキリカの事も警戒しているので、コイツの口から自然と出たその言葉を聞けてなんだか嬉しく思ってしまった。
ロアをどうこうするだけではない、普通の友達みたいな認識。
そういうのが、一之江の中にも芽生えているのかもしれないな。

「そのニヤけヅラを見ていると、また気絶するくらい突き刺したくなります」

「落ち着け!冗談だ」

「よろしい」

あの時の苦しみを思い出し、ドッと冷や汗が流れた。
そんな俺を他所に、ぷいっ、と振り向いて、ゲートから出てくる一之江。

その仕草はわかりにくかったが、今のは……もしかして。

俺の不安を見抜いた一之江なりの優しさだったりするのだろうか。
普段が冷たい態度のせいで忘れそうになるが、何気に一之江は面倒見がいい。
自分の身よりも俺や音央、他人の身を案じてくれる優しさを持っていたりする節もある。
わかりにくいが彼女はいい奴なんだ。

……いい奴なだけに、少し不安に思っている事もある。

「なあ、一之江」

「なんですか?」

「一之江ってこう……」

喉から出かかっているその言葉を続けたいが、聞いていい事なのか躊躇ってしまう。
あの村の中で村人を大量に『殺して』確かめた、と一之江は言っていた。
つまり、一之江はそういう時に躊躇いを持たないんだ。
あの時、タッくんやミーちゃん、あるいは村人を相手にした俺はかなり躊躇ってしまった。
最後まで本気で『殺す覚悟』が持てなかったからだ。
俺が甘すぎるっていうのは解っている。
だけど、一之江は……?

「一般人でも殺すのか、という問いですか?」

俺が言いづらい事を平気で察してくれた一之江は、言いにくい問いに対してズバッと口にしてくれた。

「あ……まあ、そうなんだが」

「殺しますよ。そうしなければ私が消えてしまいますから」

「……そうか。そうだよな」

胸の中にモヤモヤした感覚が広がっていく。目の前の少女がまた遠くなったような、そんな悔しさが俺の中でむくむくと起き上がっていき……。


「……よし??」

「ん?」

「決めた!」

「……何をですか?」

俺は心の中で感じた想いを一之江に語り出す。

「俺はもっと強くなってだな……」

「……はい」

「誰にも負けないくらいの強い『主人公』になって」

「なって?」

「一之江が……」

「『誰も殺
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