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Muv-Luv Alternative 士魂の征く道
第24話 芯念
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をつかみ取る為の必要最低限の資格なのだ。そうでない人間は幸福には決してなれない。資格も力も無いから成れるはずが無いのだ。


「あなたは正しい、だけど誰しもあなたの様に己に依ってのみ立てると思わないで。」
「それで弱い者同士、傷を舐めあって支え合ってとでも?―――それは単なる共依存だ、和でも無ければ切磋琢磨でもない。
 自立出来た人間どうしが認め合い対等に手を取りあい、力を合わせ相互に高め合い更なる次を目指す―――それが真実の平和という物の筈だ。」

 まっすぐに五摂家、嵩宰家当主であり京都大火の折は時の大将軍の命に背き、斑鳩崇継より武御雷を拝領し、多くの兵と民を救った英雄を睨み付ける。

 弱い人間に権利はない、人権平等?白痴の妄想だ。この世は所詮、弱肉強食……真に強者足らんとしない人間は家畜以下。
 弱いことは罪であり、強くなろうとしない事は其れを超える極罪、生きている価値何ぞない。

「嵩宰恭子、俺を見くびるな――安易に手を伸ばし、彼女を堕落させるものかよ。彼女が次に進むのを後押しする事こそ有れ、引き上げるなんぞ己惚れたことなんぞするものか。」
「心を鬼に、獅子は千尋(せんじん)の谷に我が子を突き落す……とでもいうつもり?」

 ため息を伴って告げられた言葉。
 皮肉と共に視線で突き刺さんばかりに反目で睨み返す姫武将、それは大層な圧力を持つがそんなもを意に介さず忠亮は告げる。


「必要と在らば、之こそが俺の彼女に対する報恩。俺は他者にも強さを求める、甘え何ぞ許しはしない―――それが無自覚な悪意となり、より多くを殺す悪であるのだから。」

 悪即斬、悪は切って捨てねば守れない。
 綺麗事で守り通せるほど世界は甘くない―――理想で現実は回らない。人は現実で生きているのだから、その現実を受け入れそこから打開策を模索し見つける事こそ人間の英知という物だ。

 現実を見ない、民主主義・社会主義・新自由主義・共産主義などの不平不満を利用した上下逆転の為の誇大妄想に過ぎない思想は要らない、そんなものは塵だ屑だ。
 害悪でしかない、人類という群体を蝕むがん細胞と大して変わらない。


「嵩宰恭子様、先ほどの願いの答えです―――云われるまでもない。
 彼女は純粋だ、非常に徹しきれず尚かつ絶望することも出来ない諦めの悪い女……そういう不器用さ加減は俺の好みだ。」

 問題を根本的に解決し、長期的に同様の危険の発生を予防するには、敢えて生存の危機を回避しない姿勢が必要とされる場合がある。
 人はそれを勇気という。

 怖れの持たぬ、つまりは勇気なき力は傲慢さを持ち、暴走を引き起こす。
 彼女のそれは心の奥底の弱い自分を自覚しているからこそ、それでも尚という諦めの悪さに依る―――つまり、篁唯依もまた勇気あ
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