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Muv-Luv Alternative 士魂の征く道
第24話 芯念
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」
「今代の殿下が将軍の任に着かれたのは明星作戦でしたか。あの時、私は大陸側から侵攻してくるBETAと横浜の分断を兼ねた京都奪還作戦に参加していました。
馬鹿でもわかりましたよ、殿下が将軍の任に着かれたのは一番年若く、女子であるが故に信仰心も集めやすく、同時に失敗した時に責任を被せるのに丁度良かったから。
―――名目上は、今でも殿下は帝国・斯衛の両軍の総指揮官ですからね。官僚の思惑が透けて見えます。」
滅私にて国に仕えると言えば聞こえは良いが、実際は医療でも度々指摘される派閥の拡大と専門知識の占有により頻繁に敢えて間違った判断を下すことにより、保身と権益拡大を狙う
論理崩壊
(
モラルハザード
)
が引き起こされる。
これを阻止するには、同じく専門知識を有する者が監視する必要があるが、民主政治家にはそのような能力はない。
民主主義に於ける政治家とは、詰まる所は素人が選んだ素人の代表に過ぎないからだ。
故に、民主政治下では実際には官僚の独裁政治となり、暫し経済の暴走と戦争が多発する。その実例、数え始めたらキリがない。第二次世界大戦ですらその一例なのだから。
「ええ、今の状態で政威大将軍なんてなったら官僚に権利を全部奪われたうえで身動きを取れなくされて、対面だけ守った状況を緩やかに悪化させるだけの政策の責任だけ負わされる――誰もやりたがるはず無いのよ。
今は悠陽殿下が人身御供としてお立ちになったから沈静化はしているけれど、早期退陣は必至と私を含め見ているわ。
未だ五摂家は中立の斑鳩を中心に相手の見えない綱引きをしているようなもの――そこで、中立の斑鳩家から嵩宰家へ一つの打診があったわ。」
「―――そこで篁中尉が関係してくるという訳ですか。」
篁家は代々嵩宰に仕えてきた譜代武家、家格こそ低いものその忠義の歴史は古い。そして、戦後の家格調整に続いて嵩宰直系の名門鳳家からの嫁入り。
戦争特需により得た膨大な資産と貴き血と歴史に家格、篁家は銘家と呼ばれるに相応しい全てを手に入れた。
―――そして、その次期当主として生まれたのが唯依である。
主である嵩宰と同じく女性当主を掲げる篁家――それが関係してくるとなると予想できる手は限られてくる。
「――篁中尉と斑鳩家に連なる者との婚姻ですね。嵩宰と斑鳩の両家は近しい家どうし、婚姻を結ぶのもさして難しくはない。
そこで、篁中尉と斑鳩家の者との婚姻は……中立である斑鳩家が、同じく女性当主を掲げる煌武院・嵩宰と云った征夷大将軍の責務を回避しようとした武家を認めたと言外で口にしたも同然。」
煌武院とて、仮にも政威大将軍に着いたのだから地盤は固めておきたい。ならば同じ女性当主を上げた嵩宰は元より、中立の斑鳩を自陣に組み込みたい、故に反発は起
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