第6話 蟷螂のなんたら
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ごめんなさい。君、大丈夫かしら?」
「問題ありません! ご褒美でしたから??」
これは酷い。躊躇いなく言い切りやがった。目の前の先輩も若干引いてしまっている。
「シグレくーん。何をしているのかなー?」
ダイスケの宣言によって微妙な空気に包まれた部室に、耳に障るような金切声が反響する。
振り返ると、部室の入口にカマキリのような風貌をした男子生徒が立っていた。シグレ先輩も明らかに嫌そうな表情を浮かべた。
「カマキリ先輩。いきなり押しかけてくるなんて失礼だと思いませんか?」
「僕の名前はカマキリじゃなくてハガ・タクマだよ。バトル部部長さん」
嫌味ったらしく言ったカマキリは視線をヒサメとダイスケの2人に移して眉を寄せる。
「なんだ君達は? まさか新入部員だとでも言うんじゃないんだろうね」
「そう、そのまさかよぉ………そのまさかですが?」
睨まれたので慌てて言い直す。流石にタメ口は駄目でしたか。
「そうかそうか。新入部員ねぇ………。例の約束、覚えてるよねぇ?」
「………っ!」
シグレ先輩はハッとしたような表情になり、視線を向けた二人から目を逸らした。胡散臭い話になっていそうなので、少しジト目にして尋ねてみる。
「プラモ部と、廃部をかけて勝負でもするつもりだったんですか?」
「うぐっ、新入生なのに内情に詳しすぎないかしら………?」
確かに。
「なら、今日の6時に大会規定通りに3対3での対戦だね。ふふふ、楽しみにしてるよ」
そう捨てセリフを残し、カマキリ先輩は去っていった。
パタリと扉が閉まると同時に、シグレ先輩がガシッとかなりの握力で肩を掴んできた。
「き、君たち。ガンプラバトルの経験は………?」
鬼気迫る表情は、もう後がないことを物語っていた。
「ち、ちょっと触った事があるくらいです………」
「ある程度やってますが………」
「よし! 経験者が1人でもいるなら御の字! 君、前衛後衛どっちがいい?」
「え………、どちらでも良いですけど」
「なら前衛やってもらえる? 私の機体長距離射撃型なの。あ、棚にあるやつ好きに使っていいよ」
なにやら調整する必要があるのか、ガサゴソとダンボールを漁り始めた。
(好きなやつ使っていいといってもな………)
前衛を務められそうな良い格闘機体がかなり少ない。ソレスタルビーイング系の格闘機体は豊富に揃っているが、故あってあまりソレスタルビーイングの機体は苦手なのだ。いや、アルケーも言ってしまえばソレスタルビーイングだが、
「んー、ネモかムラサメにするか………?」
これといった機体が見つからず仕方なく妥協しようとしてると、扉がノックされて開いた。
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