第6話 蟷螂のなんたら
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「えー諸君は………
長いので寝た。
▽
「ヒサメ、学園長の話聞いてた?」
「いや、多分俺には聞き取りにくかったんだよきっと。だから寝てしまうのも仕方がない」
「度胸があるというかなんというかですね………」
同じクラスとなったアリサやアズサと一緒に昼食を頂く。因みに全員自炊で意外と料理スキルも高かったりするが、蛇足だろう。
「取り敢えず、1ヶ月以内にはどこかに入らないといけないんだな」
「そうみたいですね。いろんな部がありますから入るのには困らないと思いますけど」
部活動紹介のパンフレットをめくりながら焼きそばを口に含む。放課後の部活動見学の為の予習なのだが、いかんせん部活動の数が多くてガンプラ部を探すのに難儀した。
「ってガンプラバトル部の宣伝文、ほとんどモデル部に場所とられてるし………」
ようやくガンプラ部のページを見つけたと思えば、そのページの7割がモデル部の紹介だった。ガンプラ部らしくでかでかと入賞作品を載せている。
「『鋭意募集中! 初心者歓迎??』なんか普通だな………」
「部員1人だと人員が足りないんだと思う」
女子力の高い可愛らしい弁当を食べているアズサが同じページを覗き込みながら言うが、それにしたってこれは虚しい。
「バトル部は1人ですけどモデル部は30人いますからね………」
部員数が偏り過ぎているな。流石に部員の補充は『傭兵』の仕事ではない。
「まあ、いったん入って様子を見るか。放課後に覗いてみるということで」
「ですね。部長の方にやる気がなければ入部には気が進みませんけど………」
部長、熱血系で頼む。
▽
「それではホームルームを終わる。部活の見学に行くのはいいが、浮かれすぎるなよ」
渋い声で釘を刺して担任が出て行くと、教室が一気にざわつき始める。騒々しい光景を新鮮に感じて辺りを見回していると、隣の男子生徒から声を掛けられた。
「なあ、どこか行く予定とかあるか?」
「? えーと、ミツハラだったか?」
声をかけてきたのは入学式から遅刻しかけていたトンガリ頭の男子生徒だった。中肉中背だが、その体は鍛え上げられているのが分かる。
「そうそう。ミツハラ・ダイスケだ。ダイスケって呼んでくれて構わないぜ」
「マイギリ・ヒサメだ。………予定としてはガンプラ部に入ろうと思ってる。決まってないなら、ちょっと見てみないか?」
「ガンプラ部か! ちょうど俺も入ろうとしてた部なんだよ。いやー、入賞ってスゲェよな!」
楽しそうに笑うダイスケだったが、多分モデル部とバトル部の区別が付いてないなこれは。ちょっぴり心が痛むが、致し方ない犠牲だ。
「なら早速………、行ってみるか?」
ア
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