2部分:第二章
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しそこには狼や熊といった恐ろしい獣達が潜んでいる。ヘンゼルとグレーテルの魔女は森の中にいた。妖精もまた森の中にいるとされていた。竜もだ。魔女や魔物、獣達で満ちた魔界、それが彼等にとっての森であったのだ。ヴィーラントにとっては目の前の村や城も後ろの森もそういった意味では同じであったのだ。
「そろそろ下がろう」
「では村に入りますか」
「それも危ないだろう」
やはりあの村にはえも言われぬ恐怖を感じていた。今では足を踏み入れることすら躊躇われる。
「ですが森の中よりは」
「安全か?」
「いえ、どちらも危ないですが」
「では森から少し離れるだけにするか」
ヴィーラントは中間案を出してきた。
「草原なら問題ないだろう」
「ではそれで」
「よし、馬が草を食べ終わったら行くぞ」
ヴィーラントは言った。
「いいな」
「わかりました」
とりあえず彼等は森からは離れることにした。だが村や城にも近寄りはしない。そのまま草原で二人と馬で留まる。必要とあらばそこで寝るつもりだった。すぐに夕刻は終わり夜になった。赤い空が漆黒になり三日月が見えてきた。白く朧な光を放つ月だった。その月が出ると共に異変が起こった。
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