作戦会議
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くら夏とはいえ、北の極寒の海の中を潜れと? 氷点下の水の中に入ったら、一時間もせずに凍り付くぞ」
というか下の警戒が薄いのは、いくら魔導師でも氷河を潜って来る訳が無いと思っているからに違いない。実質、極地の海は自然の要害だ。それに管理局の性質上、疑わしければ正面からの突破を図るだろう。変な根回しは得意なくせに、戦略となると途端に貧弱になる……大丈夫なんだろうか、この組織。
「そこは私達に任せて。極寒の海に一週間潜ってても温度が伝わらないバリアジャケットの機能を、マリエル・アテンザっていう私の友人レティ・ロウランの部下の子が昔作ったの。そこで彼女とエイミィに頼めば、すぐに特注の装備が作れるはずよ。問題は最高裁までの時間だけど……」
「高等裁判を終えたばかりの今、上告の申請をさっき僕が提出したから、まだ猶予はあるはず。その間にサバタは潜入の準備を整えておいてくれ」
ここまでエレンとサルタナと共に話を進めた所で、ようやくリンディとクロノが役に立ちそうだった。流石に空気はマズいだろうな、色んな意味で。
とりあえず作戦がある程度まとまって、その準備のためにリンディ達やエレン達が行動を始める。そこで俺は、空気が重くなっていたテスタロッサ家のフォローをしておくことにした。
「そういえばプレシア、『ミッド式ゼロシフト』は完成したのか?」
「ええ、バッチリよ! おかげでフェイトの速度と回避が洒落にならないレベルまで上がったわ! ここまで来ると私が全力を出しても直撃させるのは難しいわね」
「い、言い過ぎだよ、母さん……! 私、まだまだ母さんみたいに強くないよ……!」
「何を言ってるんだい、フェイト! 攻撃を喰らうかと思えばすり抜けて、圧倒的な優位に立てるその魔法を使えたら、どんな相手にも対応できるじゃないか!」
「うんうん、あまりに凶悪性能過ぎて、ちょ〜っと頼り過ぎちゃいそうだもんね。とゆ〜かお兄ちゃんの魔法だし、私も使えるようになりたいよ〜」
「アリシアが使える戦闘術は、太陽魔法の他には俺の体術を真似たものぐらいだしな。月光魔法までは範囲に無かったが……ああそうだアリシア、見よう見まねで俺の体術をあそこまで再現できたのは称賛に値するが、ちゃんと技術が身についていなければ、すぐに身体を壊すぞ」
「えぇ!? で、でも私、精霊に生まれ変わったんだよ? 人間とは身体の作りが違うから大丈夫だと思うけど……?」
「フッ、甘いな。おまえは確かに精霊に生まれ変わったが、身体のつくりは人間の性質を色濃く残している。恐らくカーミラの慈悲がそうさせたのだろう。他人と違う事を必要以上に感じさせない様に……排除すべき異端の存在として見られない様にな……」
「そうだったんだ……。じゃあもしカーミラさんの慈悲が無かったら、
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