作戦会議
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の調子では見た目はともかく、頭は老けたか?」
「ふ、老けてなんかないわよ!?」
「ですがこの二人が味方してくれるのは心強いです。事件や裁判の“裏”の対処において、彼らの右に出る者はいません。ここはぐっと抑えてください、母さん!」
「うぐぐ……! でもクロノの言う通り、相手に“裏”が関わっているこの裁判で彼らがこちら側に着いてくれるのは確かにありがたい話なのよね……。だけどどうして助けてくれるの?」
「相互利益のためだ、ビジネスライクとも言える。下らん話を続けていないで、さっさと本題に入るぞ」
「では、ここからは私が説明しますわ。まず今回の裁判の目的は、プレシア・テスタロッサさん達の罪の減刑、及びフェイト・テスタロッサさんとアリスさんの人権保証。ここで厄介なのが、フェイトさんがプロジェクトFATEの成功例である事と、アリスさんが魔導生命体に近い精霊という管理局の概念にない存在である事、そしてプレシアさんが元ヒュードラ開発主任である事です」
そこからエレンが説明してくれた内容を簡潔にまとめると……今回の裁判の黒幕はアレクトロ社、かつての事故の真実を暴かれる前にプレシアを口封じしてしまおうとしている。更にプロジェクトFATEの実験データを手に入れれば、強力な魔導師を量産できて、自分たちに圧倒的な利益が得られるという腹積もりらしい。
要するにアレクトロ社は過去の不祥事を二度も闇に葬り、被害者に全ての積を押し付け、成果をまたしても横取りしようという訳だ。悪徳企業も真っ青な腹黒さだな、アレクトロ社。
「企業絡みの根回しは、いくら俺達でも全ては防げない。裁判はある程度まともなものにまで戻せるが、検察側に有利に働きやすいのは変わらん」
「そんな……じゃあどうすればいいの?」
「奴らの言い分が全て消し飛ぶ、それこそ相手の破滅を招くほどの“起死回生の一手”を打てばいい。ハラオウン、俺達の目的はむしろその起死回生の元となるシロモノだ」
「私達はかねてより闇組織の流通を調べてきたのですが、半年前に巨大な取引の痕跡を発見しました。それを極秘裏に調べていくと、アレクトロ社に不穏な動きが多い事が判明したの」
「不穏な動き?」
「まだ全ては掴んでいませんが、彼らが作り出そうとしている物の情報は一部判明しています。名前は『SEED』……プロジェクトFATEと同様に遺伝子が必要らしいのですが、どのように使っているのかまでは判明していません。そこで私達は調査と証拠確保のため、アレクトロ社に潜入できる人間を探していたのですが……」
「諸事情で俺やエレン、部下達はアレクトロ社に警戒されていてな。迂闊に侵入出来んのだ。魔導師は魔法が目立つから潜入には不向きで、何より潜入任務の経験がまず無い。故に手をこまねいていたのだが……
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