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元虐められっ子の学園生活
祭りの必要事項
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できるように。

「みなさーん!ちょっといいですかー?」

ふと、先程謝罪を入れた筈の相模が会議室中央へと躍り出て全員の注目を集める。
その顔にはやはり反省の色は見えず、浮き足立っているようにも見える。

「ちょっと考えたんですけど、実行委員はちゃんと文化祭を楽しんでこそかなーって。
自分達が楽しまないと、人を楽しませられないかなって」

確かに一理あるだろう。
人を楽しむことに自分が楽しめなくては意味がないのだから。
しかしこいつが言うとそんな内容も真逆の方向へと向けられているようでならない。

「予定も順調にクリアしてるし、クラスの方も大事だと思うので少し仕事のペースを落とすって言うのはどうですか?」

……は?

「相模さん。それは検討違いだわ。
バッファを持たせるための前倒し―――」

「私の時も、皆クラスの方で盛り上がってたな〜」

「雪ノ下さぁん。お姉さんと何があったか知らないけど、前人の知恵に学ぶって言うかさ?
私情を挟まないで皆の事も考えようよぉ」

雪ノ下は何も言えない。
相模の目はそれこそに優越に浸っている。

「てめえ、今の現状の何処に人員を減らす余裕がある」

「……あるでしょ?雪ノ下さんのお姉さんも参加してくれたし、楽になるでしょ?」

「それの何処に余裕がある?
まさか一人増えただけで超楽になります―――なんて考えじゃねぇだろうな?」

「は?聞いてなかったの?
前回の学園祭委員長が手伝ってくれるんだよ?余裕が出ない訳じゃないじゃん」

「前回の文化祭がうまくいって、今回はその立役者がいるから大丈夫だと……。
お前前回の委員会の作業内容がどんなものかしってんのか?」

「それこそ問題ないでしょ?
今回の学園祭だってやることは前回と変わらないわけだし、前回の復唱なんだから関係ないじゃない」

「前回の復唱…ね?
ならば今回の出展内容やステージの割り振り、人員の確保、タイムスケジュールやテーブルは前回と同様の内容で、更にはこの実行委員の人間も、前回と同じ人間が揃っている、と?」

「……は?」

「わからないか?前回と同じ内容で取り組むのであれば同じ内容でやることも流れるようにできるだろ。
だが今回の物は前回と全く違う。ここにいる人員も、学園祭の内容も、出店の数や配置も。
全てが違うこの文化祭で、果てしてうまくいくのか?たかが一人人間が増えたぐらいで?」

「……くっ」

「おかしいよな?
ただでさえ前倒しでギリギリのタイムテーブルなのに、作業ペースを落とす。
これがどれだけ愚かな指示なのか…わからない訳じゃないだろ」

室内は静まり返る。
俺と相模の討論に全員の注目を集め、不穏な空気を漂わせている。

「知っ
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