第一章
猫語で会話とはこれ如何に
[2/2]
[9]前 最初 [1]後書き [2]次話
「……トシ。安心しろ。お前はもう一人じゃねェ。俺も総悟も山崎も真選組のみんなも此処にいる。今は辛いだろうが一人で苦しむ事なんかねェんだよ」
「辛いと思ったらいつでも俺や総悟に甘えていいんだ、人間に戻ったとしてもそうだ。お前は一人で何でも抱え込み過ぎる癖がある。俺や真選組のためにお前が一番苦しんでるのも知ってる」
「今もそうなんだろうが、とりあえず全部俺と総悟に預けて休め。甘えてしまえ。誰もお前を見捨てんよ、トシ」
近藤の温かい言葉は土方の心に届いたのか、「み」と短く鳴くと安心したように目を閉じて沖田の膝の上で丸くなった。
「おやすみ、トシ」
「おやすみなせェ、土方さん」
「おやすみなさい、副長」
それぞれに優しく声をかけられていよいよ気持ちよさそうに寝息を立て始める。
「つーか足痺れてきた。どうにかしろ山崎。抱っこはさせねーけどな」
「俺が抱っこしたら副長起きるでしょうが。副長、アンタと局長にしか抱っこさせないんですから。丁度干したての布団ありますから一緒に寝ちゃったらどうですか。今なら副長も怒りませんよきっと。仕事に戻る前に敷いていきますね」
「お、気が利くな山崎。ていうか普通に俺の布団でいいんじゃないか」
「臭いから駄目です」
「即答?!」
土方を起こさないように小声での応酬に沖田は密かに笑みを浮かべる。
皆、何だかんだ土方を大切に思っていて心配しているのだ。その証拠に局長室の襖の向こうでは、沢山の隊士達が土方を見守っている。
(ま、土方さんは俺のもんだけどねィ)
敷かれた布団に土方を寝かせて隣に寄り添う沖田の手はずっと愛おしそうに土方の背中を撫でていた。
猫語で会話とはこれ如何に
タイトル提供:ねぇ、ママ
[9]前 最初 [1]後書き [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ