マブラヴ
ゲート 自衛隊彼の地にて、斯く戦えり
0931話
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いんだよな。
シャドウミラーを中心とした異世界間連合軍。それらの実力がどの程度のものか……十分に味わって貰うとしよう。
「……暇だな」
ポツリと呟く。
俺がいるのは、東の城門の城壁の上。
周囲には俺以外誰もおらず、城壁の下にはこの街を守る為の守備兵達が忙しく準備をしている。
どうなってるんだろうな。普通、こういう時は俺に手柄を立てられるのを嫌って絡んできたり、あるいは1人で迎え撃つという実力が信じられずにその実力を確かめる……的な腕自慢がいると思うんだが。
だが、今俺の周囲には全く誰もいない。
城壁の上から見えるのは、盗賊が出したと思われる数人の偵察兵と思しき者達のみ。
盗賊を誘き寄せて一網打尽にするという流れを狙っている以上、あの偵察に手を出すような真似は出来ない。
そんな風に遠くを見ていると、まさかこっちの視線を感じた訳ではないだろうが、偵察兵達はそのまま来た方向へと戻っていく。
これでそう遠くないうちに再び攻め込んでくるだろう。
そう思っていると、微かに声が聞こえてきた。
普通の人間ならまず聞き取れないだろう小声。だが、生憎と俺は混沌精霊だった。
「なぁ、本当にいいのか? あんな奴等を信用して。ピニャ殿下も、なんであんな怪しげな奴等を……」
「お前一体何を……ああ、そうか。お前は確かあの時治療の手伝いで走り回っていたからな」
「んあ? 何がだよ」
「あのアクセルって奴……ちょっと洒落にならないぞ。何しろ、ロゥリィ聖下でさえ自分よりも実力は上だって言い切ってるらしいから」
「おいおい、ロゥリィって……あの死神ロゥリィ? かよ?」
「そうだ。実際あいつが何をしたのかは分からないが、こっちは身動き一つ出来なくなったからな。ピニャ殿下に至っては……いや、何でもない」
「おい、そこまで言ったんなら、最後まで言えよ」
そんな声が聞こえてくるが……なるほど。ピニャの失禁事件の時には結構な兵士がいたからな。それを思えばあの時の件が広がっていたとしてもおかしくはない。寧ろ当然と言えるだろう。
もっとも、それはつまりピニャの失禁シーンも大勢に見られたという事になるんだが。
意図していなかったが、もしかしてピニャに対して致命的な大ダメージを与えていないか、俺?
俺の視線が向けられているのに気が付いたのだろう。小声で話していた兵士2人は、そそくさとどこかへと去って行く。
その後ろ姿を見送り、盗賊が来るのを待っている間にも時間が進み、イタリカに来た時には真上にあった太陽が夕日となって沈みつつあった。
結局日中は来なかったか。
まぁ、盗賊である以上は夜に動くのがらしいんだろうが。
そんな風に考えていると、完全に日が暮れた頃にこちらへと近づいてくる気配を感
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