マブラヴ
ゲート 自衛隊彼の地にて、斯く戦えり
0931話
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促す。
「それでどうする? 俺達に協力を仰ぐかどうか。そっちがどうしても嫌だっていうのなら、こっちとしても無理にとは言わないが?」
「ピニャ様、ここは協力して貰った方が……」
「いや、だが帝国の敵だぞ? それも何度も帝国を虚仮にしているような相手の手を借りるというのは……」
「……ピニャ様」
護衛の騎士達が話している中で、そう言葉を挟んできたのはミュイ。本来であればこの地の領主である人物だ。
「どうかしたのか?」
「私は、皆が死ぬのを見たくありません。もしも本当にこの方達に盗賊を倒せるだけの力があるとしたら、頼りたいと思うのですけど……駄目でしょうか?」
「いや……だが……」
言葉に詰まりつつ、それでも結局はこの場で俺達の力を借りない状態で切り抜けるのは不可能だと判断したのだろう。やがて仲間の騎士達と目と目で会話しながら結論を出す。
「分かった、アクセル殿達の力を貸して貰おう」
ピニャの言葉に微かに安堵の息を吐いたのは、こちら側に座っている高畑。
俺もまた、ピニャには分からないように内心で安堵の息を吐く。
実はこの会談、色々とこちらにとっても難しいものがあった。
まずイタリカを見捨てるという選択。これは選べない。
街道が交わったこの地は帝国に対する情報操作や工作の類をするのに便利な場所にあるし、何よりも基本的にはお人好しの高畑が、盗賊に襲われている者達を見捨てるという選択肢を認められる筈がない。
もしも俺がここでイタリカに対する救援の手を差し伸べないまま見捨てるという選択をした場合、恐らくは一人で残って盗賊と戦っていただろう。
そして救援するにしても、サラマンダーを出して敵の本拠地にミサイル辺りを撃ち込むという作戦は却下だった。
勿論その方法を使えば手っ取り早いというのは事実だが、折角イタリカを助けるのだから、この地にいる住人に俺達の力を見せつけて、以後の行動を行いやすくするという目的もある。
それらを総合的に考えた結果が、俺の口から出た妥協案だった。
「よし、話は決まったな。……まぁ、やるべき事は殆どないが。やれるとしたら城壁の強化くらいか?」
「妾としては、門を賊共に突破させて街に入ってくる人数を限定しつつ殲滅という手段を考えているが」
なるほど。作戦として城門の突破を前提にしているのか。
だが……
「それは必要ないな」
「……何?」
「確かにこっちの戦力が少ないのならその方法も有効だっただろうが、俺達が協力した時点で戦力差は圧倒的に開いている。……ゴブリンが100匹いるからといって、炎龍に敵うか? そういう事だ。ピニャ、イタリカの城門は4つでいいのか?」
「う、うむ。東西南北それぞれに城門はあるが、北にある城門は川に面しているので向こうと
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