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魔法科高校の神童生
Episode36:依存の先
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恥ずかしい所を見られてしまった」

「まあ、そこら辺の事情は姉から聞いてるんで大丈夫ですよ」

「全くよ。事ある毎に私を巻き込んで……この爽やかヘタレが」

 グサリ、とスバルの言葉が修次の胸に突き刺さる。
 しかしまあ、仕方ないだろう。あの空間にいるだけで、ストレスはそれなりのものだ。

「そ、それはすまないと思っているよ。感謝もしてる」

「それはもう聞き飽きたわ。それじゃ、あんたは愛しの摩利ちゃんと二人きりになりたいだろうから、私は弟でストレス発散してくるわ」

「……はい?」

「さ、行くわよ隼人」

 そのまま、首根っこを掴まれて引き摺られていく隼人に、修次と摩利は心の中で手を合わせた。



☆★☆★



「あんた、随分と窶れたわね」

「へ…?」

 あのまま演習場へ直行、何てことはなく。姉さんに連れてこられたのはホテルにある俺の部屋だった。
 適当に飲み物を出す俺の顔を見て、姉さんが顔を顰める。

「気づかないとでも? 目の下のクマに加えて、さっきの試合も魔法の発動まで時間がかかってた。明らかに不調なのは一目瞭然よ」

 相変わらず姉の観察眼には恐れ入る。まさか試合中の魔法発動速度まで見ているとは。なんかもう逆に怖い。

「それで、何があったの?」

 まあ、当然の質問だ。言い逃れはできない。細められた真紅の瞳が、それを許さない。

「…無頭竜が九校戦に干渉してる。それに加えて、三高の紫道聖一が無頭竜との協力関係にあって、何らかの組織に属していることが分かった」

「それだけ?」

 そうだ。今の俺が気にしてるのは、そんな事じゃない。
 エリナ。俺の家族以外での唯一の理解者で、()()()に出てきた女の子。彼女がいなくなった時、俺は不自然な程に動揺していた。

「……エリナが、俺を殺そうとしてきた。多分、何らかの魔法によって意志を奪われてるんだと思う。そうで、あって欲しい…」

 その時始めて分かった。
 いつの間にか、俺は彼女に依存していたんだって。
 
 人を殺すのが嫌いだ。でも殺して笑っている。
 正義の鉄槌なのだと、正義なんてものがある筈がないにも関わらず、俺は自分を騙して人を殺し続けてきた。
 そんな自分が大嫌いだった。本当の俺が知られれば、傍からみんないなくなってしまう。それが怖くて、怯えていて。

 それでもエリナはいなくならなかった。俺がやっている事を知っても、エリナは恐れることなく、そればかりか、協力さえしてくれた。

 言葉にはしなかったけど、俺は心の底からエリナに感謝していた。嬉しかった。

「……エリナがいないって思うと、不安になる。こんなにも歪んでしまった俺を、受け入れてくれる人
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