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魔法科高校の神童生
Episode36:依存の先
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かった。



☆★☆★



 一高と二高の試合は、前日にあんな事故があったにも関わらず、市街地ステージで行われることになった。

 しかし、隼人も達也も、それについて文句を言う事はない。
 隼人は黒幕を知っているため、大会委員に非がないのを知っているのに対して、達也は見晴らしのいい場所にモノリスを置かれるよりも、廃ビルの中などといった遮蔽物の多い場所に置かれた方がいいくらいにしか思っていなかったためだ。

 そんな達也は現在、二高のモノリスが設置されている廃ビルの屋上に立っていた。
 ここまで、建物の影から影へと、魔法を使わずに屋上を飛び越えたりと無理矢理な移動をしてきたお陰か、未だ達也の姿が二高の選手に気づかれた様子はない。
 ただ、少々時間がかかり過ぎたため、既に互いのルアーはステージに解き放たれている。

 今回は作戦がある為に隼人は暴れることはないが、接触したら適宜撃破としているので、もしかしたらもう少しで戦端が開かれるかもしれない。ならば、余り時間をかける訳にもいかない。

「幹比古、聞こえるか」
『聞こえるよ、達也』

 通信機を通して、自陣モノリスを守るレオのバックアップをする幹比古とコンタクトをとる。
 普通、電波位置を探知され易い通信機を使う高校はあまりない。そもそも、通信機が必要な程まで離れてしまえば碌な連携もとれないのだ。わざわざ敵に現在地を知らせる道具を使う意味はない。

 ならばなぜ、達也たちは今回通信機を使用したのか。
 それは、無論、位置を知られるよりもメリットのある理由が存在するからだ。

「やるぞ。モノリスの位置を探査してくれ」
『こっちも、そうはもちそうにない。急いで』
「了解した」

 どうやら、向こうは既に交戦状態のようだった。
 達也は右手のブレスレットを操作して、『喚起魔法』を発動した。



「うおりゃあああ!」

 気合いと共に、レオが『小通連』を横に薙いだ。

 『小通連』は、達也が趣味全開で作った武装一体型CADのことだ。硬化魔法の特徴である、『相対位置の固定』を利用してその機能を果たす。

 分離させて飛ばした刀身の半分をそのまま硬化魔法で座標を固定するというシステムで成り立っている。

 ざっくり言ってしまえば、伸縮自在な魔法剣だろうか。尤も、自由に間合いを変えるのは難しいが。

 レオの硬化魔法によって飛ばされた刀身が弧を描いて飛翔し、二高選手の足を刈り取る。予想外の攻撃に、碌な受け身もとれないまま地面を転がる。

「幹比古!」

 この場にはいないが、しかしビルのどこかから精霊を介してこの部屋を見ている幹比古に合図を送ると、間も無く空中に球電が生じ、放たれた電撃が二高選手を撃った。

 しか
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