掃除屋が射抜く! 6
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リュウの指令があってからアレクは帝都の民家の屋根の上に立っていた。
深緑のマントに身を包み自身の身元をバレないようにするためなのか片目の空いた仮面を着けてターゲットのいる通りを睨み付けていた。
彼の手には弓が握られていたが肝心となる矢の方はホルダーごとなかった。
しかし暗殺というのに彼は決して矢を忘れたわけではない。
これが本来のスタイルなのだ。
「お、やっと出てきた」
今回のアレクのターゲットは警備隊隊長オーガ。別名、鬼のオーガと呼ばれ剣の腕は達者で、犯罪者から恐れられている。
しかし奴は権力でものを言わせ罪なき人を無実の罪で捕らえたり各業者から巨額の賄賂を受け取って好き勝手やっている腕っぷしはあるがやっていることはゲス野郎。
「ほんと……吐き気がする……」
そう小言で悪態を吐くとオーガに狙いを定めるように矢のない弓を構えた。
しかし、何かに気がついたアレクは途端に構えをやめた。
よく見てみるとオーガの後ろにフードの被った少年らしき人影がオーガに話しかけている。
賄賂を受け取るにしては人目につく…
「いや、違う…アイツ…」
アレクはフードの被った少年の様子がどうもおかしいことに気がついた。
変に怪しいと言えばいいのかアレクには『怪しい』の一言しか言えなかった。
アレクがフードの被った少年に違和感を覚えるのと同時にターゲットも移動を開始した。
どうやらあの人と話をするようだ。
アレクも逃がさまいと追跡を開始する。
するとどうだろうか、フードの被った少年とオーガはいつの間にか人気のない路地に入っていった。
「なるほど…そういうことか…」
アレクはどうやらフードの被った少年を見たときからあった変な違和感の正体がやっとわかったようだ。
アレクは確認するかのように彼らの会話に聞き耳を立てた。
「お願いします!!俺を帝都警備隊に入れてください!」
「______ッ…」
「______ッ…」
アレクは当てが外れたのかと頭を抱え大きく溜め息を溢す…
オーガも呆れるように溜め息を吐いて頭をかく。
「金を稼いで田舎に送らなきゃならないんです」
「んなことだろうと思ったぜ。正規の手順で踏んでこいボケ!」
オーガは追い払うように立ち去ろうとする。
しかし、
「…ですが、この不景気ではでは倍率が高過ぎます」
瞬間フードの被った少年が背中からゆっくりと剣を引き抜き始めた。
(やっぱり…こいつ…)
アレクは思わず仮面の奥でニヤリと口角が上がる。
どうやらアレクの当てが当たったようだ。
(同業か!)
「仕方ねえだろう。お前が力不足ってこったな」
オーガもバカではない。
フードの被った少年の殺気に気がついたのか腰にかけた剣
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