空白期 中学編 11 「桃色の誘惑?」
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えーと……それは現在は好きではないけど、親しくなりたいってことかしら?」
「いや、そうじゃない」
「……君、もう少し乙女のハートを理解したほうが良いと思うわよ」
確かにこれまでにその手の言葉は何度か言われたことがあるが、今回ばかりは俺ではなく彼女が悪いだろう。俺は前もってそういう意味ではないと伝えておいたのだから。
「で、どういう意味で気になってるのかしら?」
「俺と君……いや君達と昔どういう風に出会ったのか、どんな会話をしたのかってことで気になってる」
「ふーん……それってつまり、完全に何も覚えてないってことよね?」
「そうだな。悪いとは思うけど」
「別に悪いと思う必要もないけどね。パパとかを除けば、覚えてるのなんてお姉ちゃんくらいだし。内容も小さな子供がよくやってる類だからね〜」
いやいや、フローリアンに対してはともかく先輩に対しては悪いだろ。今の言い方からして、自分は覚えてないからいいけど先輩は覚えている。しかもそのときに何かしらあったってことだろうし。
「だったら教えてくれ」
「ダメよん、ダメダメ。勝手に言ったらお姉ちゃんに怒られちゃうし……でも〜、今度デートしてくれるなら考えてあげてもいいわよん♪」
己の魅力を最大限に活かして放たれた言葉に、俺は思わず後退する。
俺にも人並みの感性はあるのでフローリアンの仕草は可愛いと思う。のだが……はやてやシュテルといった人間と同じ匂いがするだけにどうしても警戒してしまうのだ。彼女達に比べれば、物凄く分かりやすく危険を漂わせているのでマシにも思えるのだが。
「……ふたりでか?」
「と〜ぜん。あっ、別に警戒しなくても大丈夫よ。買い物に付き合ってくれるだけでいいから」
買い物か……まあフローリアンはこの街に来て日が浅いと言えるし、異性とふたりで買い物なら今までに何度もしたことがある。
誤解されて困るような相手は……いないけど、迷惑を掛けそうな相手はいるな。とはいえ、昔にあったことが分からないと先輩とどう接していいのか分からない。覚えていないことを謝るだけでは釈然としないものがあるし、買い物なら道案内か荷物持ちといったところだろう。この話を受けても何も問題……
「おニューの水着とか買いたいからね」
「――っ、待て!」
洋服ならまだしも、水着なんか一緒に見れるか。周囲からの視線がやばすぎるだろ。学校の連中に見られでもしたら面倒なことになること間違いなしだ。同居していることがバレれば、ディアーチェにも飛び火するだろう。
「そういうのは女友達と行けよ!」
「あらあら、顔を赤くしちゃって。私の水着姿を想像しちゃったのかしら?」
「人の話を聞け!」
あぁくそ、言動に違いはあれどやっぱりはやて達と同種の人間だった。狡猾さで言
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