第四章
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「似合う?」
「ええ、結構ね」
「いけてる感じよ」
「ドロシーにもね」
「ステージでもいけそうよ」
「アフリカ系だけれどね」
ネイティブでなくともだとだ、ドロシーは言った。
「これでステージに出られるならいいよ」
「そうね、皆ね」
ジュリアは四人それぞれのそのナバホ族の服での姿を見て言った。
「いけてるわよ、後はね」
「ステージをよね」
「ナバホ族の感じにして」
「それとナバホチックな音楽も作って」
「ステージに向けばいいわね」
「ええ、これなら斬新でね」
しかもとだ、ジュリアは四人に確かな声で話した。
「尚且つファンからも注目される」
「そういうことね」
「じゃあこれでね」
「今度のステージは挑めばいいわね」
「ナバホ族で」
「ネイティブはどうもね」
ここでだ、ジュリアは微妙な顔になって言うことがあった。ここではジュリアは博士号を二つ持っている学者の顔になっていた。
「合衆国ではね」
「アメリカ人だけれどね」
「ちょっとね」
「それでいてアメリカ人じゃない」
「そうした扱いよね」
「どうしてもそうなるのよ」
こうしたことにというのだ。
「何しろ我が国はそのネイティブの土地を奪って成立しているからね」
「そうよね、あたし達にしてもね」
「他所から来てるから」
「アフリカからね」
「アメリカ以外の国から」
「アメリカ人はルーツがアメリカ以外の国にある人達なのよ」
アメリカ独自のことである。
「そうなっているのよ」
「それでネイティブの人達はね」
「どうしても微妙よね」
「立場も文化も」
「あたし達から見ても」
「私達もガンマンで騎兵隊でカウボーイだったから」
ジュリアはまたこの話をした、その西部劇でのアフリカ系について。
「アメリカ人だから」
「ネイティブじゃないけれど」
「それでもね」
「こうして着るのも」
「悪くないのね」
「ええ、色々なことを取り入れるのも合衆国よ」
こうもだ、ジュリアは言ったのである。
「だからね」
「それでなのね」
「このナバホ族の服を着てもいい」
「ステージの演出で使ってもいい」
「そういうことね」
「そうよ、何でもね」
例えそれがだ、これまでアメリカではとかく疎外されていたネイティブ達でもというのだ。
そしてだ、ジュリアはあえてこうも言った。
「ネイティブの人達も合衆国にいるのなら」
「それでアメリカ人」
「そうも言うのね」
「あの人達もアメリカ人だって」
「そう」
「ええ、そうよ。だからいいのよ」
こう言ってだった、ジュリアはマネージャーとしてだった。
四人がその衣装を着ることを後押しした、そしてステージの演出も自分からナバホ族の文化を勉強して積極的に取り入れた。
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