第三章
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「ナバホ族のね」
「名前は聞いたことがあるわ」
ドロシーがすぐに答えた。
「ネイティブの部族の一つの」
「そう、あの部族の服をね」
それをというのだ。
「着てもらって衣装もね」
「ナバホ族のものになるの」
「それでどうかしら」
「そうね」
そう聞いてだ、トロットは。
腕を組んで考える姿になってだ、ジュリアに答えた。
「面白くはあるわね」
「そうでしょ」
「あたし達四人が皆よね」
「そのナバホ族の服を着てね」
「ステージもナバホ族の感じにして」
「西部劇のね」
まさにというのだ。
「それでどうかしら」
「斧とかは使わないわよね」
ベッツイは西部劇のネイティブのイメージからだ、ジュリアに問うた。
「別に」
「戦いたいの?」
「まさか、あたし達は音楽をしたいのよ」
肩を竦めさせてだ、ベッツイはジュリアの笑っての問いを自分も笑って返した。
「戦争をするつもりはないわ」
「そうよね」
「これまで反戦歌を作ったことはないけれどね」
それでもというのだ。
「斧には興味がないわ」
「戦争だけが西部劇ではないからね」
だからだというのだ。
「ナバホ族の普段の感じでね」
「いくのね」
「音楽もそうしてみたらどうかしら」
ジュリアはここで四人にこうもアドバイスした。
「ネイティブな感じでね」
「つまりナバホ族の」
「ああした感じで、っていうのね」
「そうした音楽もやってみたら」
「そう言うのね」
「そう、まあこれは私の提案だけれどね」
四人のマネージャーとして、というのだ。
「どうかしらってね」
「そうね、じゃあ」
「正直その発想はなかったし」
「しかも斬新でな」
「面白いし」
四人はそれぞれジュリアに答えた。
「やってみるわ」
「ナバホ族の感じでね」
「あたし達アフリカ系でもね」
「それでもね」
「じゃあそれでやってみましょう」
ジュリアはここでもマネージャーとして四人に話した。
「それでね」
「ええ、それじゃあね」
「衣装を作って」
「ステージの演出もネイティブにして」
「それでいこうね」
四人はジュリアと話して決めた、それから。
四人でだ、正式に決めて。
早速ステージ衣装を作った、ナバホ族のそれを。
黒地で膝までのワンピースのスカートで袖はない、足は靴で膝まで白い布を巻いている。そして服の肩と胸の部分、腰の周りとスカートの袖の辺りは。
赤い菱形が入った幾何学模様だ、手織りの長方形の織物二枚で作られており腰はシンプルな白い帯で締めている。
その格好になってみてだ、まずは長身のドロシーがだ。
メンバーとジュリアにその姿を見せてだ、問うた。
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