第二章
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その中にだ、何とだった。
「君もいたのか」
「ま、まあね」
ぴしっとしたスーツを着た蒼仁はバツの悪い顔で赤忠に答えた。
「僕も二十七だしね」
「僕と同じ理由で」
「合コンをお願いしていたんだ、しかしね」
「僕に会うとはだね」
「想像もしていなかったよ」
こう言うのだった。
「こういうのを奇遇っていうのかな」
「そうだろうね、それで」
「うん、斡旋役の女の人に言われたよ」
「あのやり手婆みたいな人に」
「漢人でなくていいのかってね」
「それでいいって答えたんだね、君も」
「だからここにいるんだ」
こう赤忠に答えた、清代の建築を模した赤い床と柱と天井の店の中でだ。彼は言った。
「こうしてね」
「そうだね」
「さて、誰が来るのかな」
「漢人以外と言われると」
「多いからね、我が国は」
中国は広く人口は世界一だ、それだけに民族の数は多い。正確な数はどれだけか把握しにくい位である。
だからだ、二人も話すのだ。
「果たしてね」
「どの民族の娘達なのか」
「わからないね」
「けれどいい娘ならね」
「うん、誰でもいいよ」
漢民族にこだわらないというのだ。
「親父にも言われてるし」
「そうだね、僕もだよ」
「結婚したいから」
「どうしてもね」
結局これは二人共だった、赤忠だけでなく蒼仁もだ。二人でこう話してそしてだった。その合コンに参加したのである。
赤忠達はお店の人、斡旋の女から話を聞いているお店の人に店の中で一際大きな席に案内された、二十人は優に座れる大きな円卓の席に。
円卓は木製で椅子まで中華のものだった、やはりこの飯店は中華だ。
彼等はそこでだ、合コンの相手の娘達と会った、そしてだった。
誰もが驚いてだ、こう言った。
「えっ、まさか」
「まさかと思うけれど」
「この娘達は」
「あの」
「いや、驚いたね」
蒼仁もだ、その細い目を見開いて言った。
「この人達とはね」
「リー族だね」
赤忠も言った、その娘達を見て。
「これは」
「うん、そうだね」
「海南省はね」
「この娘達にいるんだ」
海南省、即ち海南島には昔から漢民族以外の民族も混在している、そのうちの一つがリー族なのである。
彼等は彼女達の服を見てそれで言うのだ。
「あの服は間違いない」
「リー族の服だよ」
「あの民族の衣装だ」
「うん、そうだね」
「リエンだよ」
「ずっと海南省に住んでいるけれど」
それでもだとだ、赤忠は唸る様にして蒼仁に語った。
「実際には殆ど見てないし、リー族の人とは会ったことがあるけれど」
「この服を着た人達にはだね」
「会ったことがなかったよ」
こう語ったのである。
「僕もね」
「僕もだよ、ましてやね」
「合コンの場所で会う
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