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SAO−銀ノ月−
第椅子取話 参
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とシリカがいた地点に着地した。……いや、もはやただの着地ではなく、クラインを押し潰す必殺の一撃。

「どわぁぁぁ!」

 クラインが悲鳴とともにポリゴン片と化していき、この仮想世界から退場する。そのクラインを圧殺した原因こと、鉄の塊――古びたトロッコから、二人の男女が降り立った。

「しっかし、まさかこんな所まで来れるとは、ホークの情報さまさまだな」

「随分高くついたみたいだけど。借金はよろしく、男の子?」

 げっ……とリクヤは呻くものの、そのことを考えるのは後だとばかりに、その背に構えていた双大剣を構える。リクヤの肩を叩きつつ、リズもメイスをくるくると回しながら持ち、マサキたちの戦場へ乱入する。

「さぁて、やらせてもらうぜ!」

「ま、マサキさん……」

 シリカはピナとともにマサキと合流するが、正直に考えて、この状況でのシリカの戦力は心もとない。リクヤやリズの重撃を耐えられるのは、この仮想世界ではリクヤにエギルぐらいのものだ。

「…………」

 マサキは――1人だけ姿が見えないリクヤチームの三人目のことも含め――思索を巡らせる。いくばくの時も経ずに答えを出し、シリカに小声で「隙をついて撤退する」ということを告げる。ルクスは倒してリーファにも多大なダメージと、これ以上無理をする気はない。幸いなことにリクヤもリズも筋力特化と、対照的に敏捷値を上げているマサキとシリカには追いつけない。

 マサキは隙を作るべく小さい動作で投剣を握り、煙幕を発して撤退しようとした時、リクヤとリズは二手に別れてマサキたちを囲むように移動する。

「悪いけど、逃がさないわよ」

「逃げられたら追いつけないもんな……」

 リクヤたちのマサキたちにはないアドバンテージは、ホークによる――借金をしと手に入れる――情報。マサキが発動しようとした、煙幕を発生させる投剣スキル《スモーク》のことは、もはや情報として割れている。《風刀》スキルならばともかくとして、ただの投剣スキルならば秘密も何もない。

 そのリクヤたちの動きから、投剣スキル《スモーク》が見切られていると悟ったマサキは、リクヤに向けてその投剣を発射する。戦闘職ではないリズにシリカと二人でかかれば、この場からの撤退くらいは容易い――と考えたが、その投剣はどこかから放たれた同じ投剣に弾かれ、あらぬ方向で煙幕が発生する。

「行くぞ!」

 その彼方から飛来する投剣の出所を探す間もなく、リクヤたちがタイミングを併せてマサキたちに迫り来る。正面からぶつかり合える訳もなく、マサキはシリカの手を引いて三本の攻撃から離れていくが、囲まれているような布陣から逃れることは出来なかった。

「ピナ! お願い!」

 シリカのせめてもの抵抗としてか、その場を飛翔してい
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