外伝
外伝《絶剣の弟子》A
[4/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
いところだ。しかし、どうゆう理由かは不明だがユウキさんは怒っている……というか、ムキになっている感じだ。その原因であるリズベットさんは特に悪びれた様子もなく、からかうような笑みでこっちを見ている。
「ライト、キミが決めて良いよ」
「え?ああ……じゃあ、リズベットさん。ご同行、お願いして良いですか?」
「ええ、良いわよ」
こうして鉱石採掘のメンバーにもう1人メンバーが加わった。
ユウキさんはリズベットさんに怒ってるというより、やはり何かしらの反発心を持っているような感じだ。
ツンケンした口調ながら会話はちゃんとしてるし、喧嘩という訳ではないようなので一安心した。
「見えて来たわよ。あれがノーム領南端の都市《ガノーメン》。あの街のちょっと先に洞窟があってその奥にあるのが地下要塞都市である首都《レニバス》。今回用があるのはさらにその先にある《群青の洞窟》ってとこ」
「……群青、ですか?」
「そうよ。何か気になる?」
「狙っている鉱石は《ターコイズ・インゴット》。ターコイズは赤系統の色なのに群青、つまり青系統が基本色であろう場所に行くのが気になって」
「ああ。そうゆうこと」
現在、眼下にノーム領最南端だと言う街を収めつつ尚も北へ進んでいる。今回は速度優先という事でポップしたモンスターはユウキさんとリズベットさんが瞬時に駆逐して行くため、俺がこれまでに戦闘に参加することは無かった。基本的に先頭を翔ぶユウキさんが立ち塞がる敵を両断して行き、洩れたその他をリズベットさんが受け持っていた訳だが……ただの生産職とは思えない戦闘力だ。自身の作であろう片手棍を豪快に振り、モンスターを文字通り塵へと変えていく。強さ的にはユウキさん程ではない感じがしたが、戦闘慣れしているのは明らかだった。
戦闘に備えて少し先行しているユウキさんに代わり、リズベットさんが俺の何気ない疑問に答えてくれた。
「《ターコイズ・インゴット》は確かに《群青の洞窟》では珍しい。でもね、深奥のボスからのドロップと、その部屋の採掘ポイントからは他のダンジョンよりドロップ率が高いのよ」
「なるほど……」
これは多分、《群青の洞窟》のドロップアイテムにおける所謂"はずれ"としてドロップする《ターコイズ・インゴット》を取りに行こうというものだろう。ドロップ確率を逆手に取ったある意味、裏技的な方法だ。
いやしかし……目的のものであるアイテムが"はずれ"としてドロップするということは……
「あの、リズベットさん。もしかしてそのダンジョン、難しいんじゃ……」
「まあ、その……大丈夫よ。多分」
「…………」
それから翔ぶこと約20分。俺達は途中で地上に降り、ローテアウトして諸々の用を済ませた後、その洞窟の入
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ