外伝
外伝《絶剣の弟子》A
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……って、うわぁ??」
リズベットさんは肩に担いだ名鑑の背表紙をユウキさんの脳天に直撃させるべく振り下ろすが、ユウキさんも流石の反応速度で避ける。
「なにすんのさ??」
「おバカ!この子どう見ても盾剣士!つまりタンクタイプ!装備は重装!回避盾じゃなくて肉壁!」
エクスクラメーションマークごとに分厚い名鑑を軽々と振るい、ユウキさんに殴りかかるリズベットさん。どうやら俺の為に怒ってくれているらしいが、酷いことを言われている気もする。
「え、そうだったの?」
「戦闘中はどうしてたのよ!何見てたの??」
「えっと……立ち回りとか、色々……っとと」
「はぁ、はぁ……まずライトに言っちゃうと、完全に参考にする人物を間違えたわね。ステ振りまでミスってたら大変だったわよ」
「あ、いや。でも、ユウキさんのお陰で回避は格段に良くなりましたよ?」
「回避主体の盾剣士なんて……まあ居ないこともないけれど、普通盾で凌ぎ切っちゃうわよ。あんたのイメージしてた戦闘スタイルってこっちじゃないの?」
確かに俺は長年2Dのゲームで盾剣士としてプレイして来た。タイミング良く防ぐことでダメージを完全に防ぎ切れる上に相手にディレイを与えることが出来たりするからだ。俺はこの手の操作が得意で、盾は防御力の底上げというより、もう一つの武器に近かった。
「まあ、そうなんですけどね……」
「まったく、この子は……」
「あぅ……ごめんね、ライト」
こちらの顔色を伺うように上目遣い気味に見上げてくるユウキさんにドキッと跳ね上がりつつ顔を背ける。
「別に、大丈夫です。さっきも言った通り、ユウキさんが頑張って教えてくれるからこんな短い間でここまで来れたんです」
「ライト……。うん、ありがとう。……えと、教えられることは大分少なくなっちゃったけど、これからも、その……」
「はい。これからもよろしくお願いします」
ちょっと……いや、かなり不安だが、本来は自分である程度は身に付けなければならない過程だったのだ。たまたま熟練者の人と会えて、たまたま仲良くなって、気まぐれで教えてもらっているだけなのだ。俺が自分のスタイルに合っていないからと言って投げたすことは無い。特別執着はないから最悪スタイルを変えたって良いのだ。
「……で、どうするの?あ、これ必要な素材の一覧ね」
「ありがと、リズ。……うへぇ、面倒なの多いなぁ……」
「一個ランク落としても良いけど。揃えるなら最高のものがいいでしょ?」
よっぽどなのか、苦い薬を飲み干したような顔をしているユウキさんの隣に行き、そのリストを見てみる。そこには聞いたことの無いような厳めしい名前や不思議な語感のものなど、いかにも珍しげな素材の名が列挙してあった。
「言っておくけど、この剣の
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