第27話 節が七つあるからナナフシというわけではないらしい
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‥」
マリーの手に涙がポロポロと落ちた。
彼女は悔しさのあまり両手を強く握りしめていた。
「全然いいよ。気にしなくて」
アスラは明るく言った。
それを聞いたマリーは思わず顔を上げた。
「‥‥‥‥‥‥‥でも」
「だってさ、完璧な人なんてこの世にはいないじゃん。
マリちゃんがいつも捕まるなら、俺たちがいつも助ければいい。
そうやって支え合って生きていく事が大事なんだし、それに‥‥‥‥」
アスラは少し顔を赤くして言葉を切った。
マリちゃんは傍にいてくれるだけでオレの支えなんだから
なんて、とても本人の前では言えるはずがなかった。
「‥‥‥‥‥‥‥ありがと、アスラ」
マリーは笑顔でそう言った。そして――――――――
ちゅっ
アスラの頬に軽くキスをした。
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!」
彼の顔は今にも燃え上がりそうなほど、真っ赤になっていた。
そして、恥ずかしさのあまり顔をそらした。
「あははは♪」
マリーはしてやったりとでも言いたげな顔になっていた。
でも、顔はアスラと同じくらい真っ赤になっていた。
『‥‥‥‥‥‥‥‥』
そんな二人の光景を陰ながら見守っていたホークアイは思った。
『好きって‥‥‥一体どんな感じなんだろうな‥‥‥‥‥‥‥』
そして、磨いていた銃をホルスターに入れて
2人の関係をイジりに向かって行った。
**********
「無事に届けられて良かったね」
マリーはヨセフにもらった小瓶を弄りながら言った。
「そうだね、それにあの家族は優しい人達だったなぁ。
食事やら何やら全部世話になったもんな」
アスラ達は2、3日ヨセフの家に泊まらせてもらい
再び世界を巡る旅を始めたのである。
「子供が三人もいるなんて幸せな家族だね。
私も大人になったら子供欲しいなぁ」
マリーは理想の夢の中に入り込んでいた。
迅はそれを聞いて、彼女の頭に手を置いた。
「出来るさ。マリーには優しい旦那様がいるからな」
「‥‥‥‥‥‥‥うんッ!!」
マリーは嬉しそうだが、隣に反応に困っている人が一人。
そんな感じで明るく旅を続けていた。
ギュオッ!! ドゴオオオオオォォォォォォォォォオオンッッ!!!
突然、全員の目の前を黒い影が高速で通り過ぎた。
そして岩でゴツゴツした壁に激突し、身体は深々とめり込んだ。
「‥‥‥ッッ‥‥‥‥ガハッ!!!」
黒い影は口から吐血した。
そして、そのままズルズルと音を立てながら
地面に腰から崩れ落ちた。
「どうした、その程度か?|アギト」
黒い影が飛んできた方向から来た男が
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