暁 〜小説投稿サイト〜
鎧虫戦記-バグレイダース-
第27話 節が七つあるからナナフシというわけではないらしい
[4/6]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
本刀を振り抜こうとはしなかった。
いや、する必要がなかった。

「やはり単純な事しかできないようだな」

反対側から迅が駆け寄って来ていた。
アスラと丁度、真反対からである

「さっきは知能の事を考えて出来なかったが
 これを受けるには人質(たて)が二人必要だったな」

二人は同時にジャンプした。
ナナフシ型は誰が見ても分かるほど困惑していた。

「ギィィィッ!!」

 ブオッ!!

ナナフシ型は残りの脚で二人に攻撃を仕掛けた。
しかし、スピードのない攻撃で二人が倒せるはずがなく‥‥‥

ズババッ!!

全てバラバラに断ち切られた。
それにより、ナナフシ型は少しバランスを崩しかけた。

「ここには二人しか来てないから人質はない。
 これで終わらせるぞ!アスラッ!!」
「おぉッ!!」

二人は同時に斬りかかった。

「ギッ!?ギィィッ!!?」

ナナフシ型はマリーをどちらの盾にするか迷っていた。
そして、迅の方向に彼女を差し出した。

「ん?オレの方が強いと受け取ったみたいだな。
 だが、それは同時にアスラをナメてるってことだよな」

アスラは渾身の力を込めて日本刀を振り抜いた。

「うおおおぉぉぉぉぉぉぉらあぁぁぁぁぁあああッ!!」

 ズバッッ!! パカッ!!
 
ナナフシ型の胴体が真っ二つになった。
そして、そのまま地面に崩れ落ちた。
脚にはすでに掴む力は残っていないらしく
マリーは脚を抜けて、落下し始めた。

 ガシッ!

「危なかった‥‥‥」

迅は彼女を空中で見事にキャッチした。
本来ならこれはアスラにさせるべきことだったのだが
彼はナナフシ型にとどめを刺したので良いとしてもらおう。

「まったく、タチの悪い"鎧虫"だったぜ‥‥‥‥」

 キンッ!

アスラは日本刀を鞘に収めてつぶやいた。



     **********



「う、うーーん‥‥‥‥」

マリーは少し唸ってから目を開けた。
目の前にはアスラが彼女の方を向いて座り込んでいた。

「お、起きた?」

アスラはマリーに話しかけた。
彼女はゆっくりと起き上がってうなずいた。

「‥‥‥うん、起きた」

あまり気持ち良くはない目覚めだった。
全身がほんの少し痛かった。
そして、先程の事を思い出したのでアスラに訊いた。

「私、捕まってたの?」

アスラはそう訊かれて口を閉じた。
彼が答えないのでマリーは察したようだ。

「‥‥‥‥‥‥‥‥ごめんね」

マリーはうつむいて謝った。

「いっつもそうだよね‥‥‥‥‥私はみんなに迷惑かけるばかりで
 何の役にも立たない。本当に‥‥‥‥‥ごめんね‥‥
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ