第27話 節が七つあるからナナフシというわけではないらしい
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「しかし、ワケ分かんねぇ"鎧虫"だなぁ。
油取らずに嬢ちゃんだけ取っていくなんてな。
まぁ、もともと油はいらねぇだろうけど」
ヨセフは腕を組んだまま言った。
ハビブもそれを聞いてうなずいていた。
「まるで、始めからマリー狙いだったみたいだな」
ホークアイは迅の方を向いて
同意を求めるように言った。
「あぁ、確かに。じゃないと逃げる意味が分かんないからな。
マリーを盾にしながら戦えばよかったはずだ」
「なのに、アイツはわざわざ逃げた‥‥‥うーん‥‥‥‥」
全員は唸り声を上げて悩んだ。
迅は思い出したように付け加えた。
「胸元に"起動装置"のあるマリーは
あの両腕をガッチリ固定された状態じゃあ
"鎧人"には変身できないだろうな」
「じゃあ、自力で脱出するのは無理なのか。
それじゃあ作戦も考えにくいなぁ‥‥‥」
リオさんも腕を組んで唸った。
「とりあえず、二人はここにいた方がいいな」
ホークアイはヨセフとハビブにそう勧めた。
「あぁ、言われずともそうするつもりだったさ」
「俺達が行っても足手まといだからな。
つーか、さっきは全然動けなかったしな。
あの時の俺らを見る目、滅茶苦茶ビビったぜ‥‥‥‥‥‥」
二人は普通の人間だ。ここで待ってもらった方が得策だろう。
万が一"鎧虫"が来ても油を少しまいておけば大丈夫だろうし
"侵略虫"が来た時も‥‥‥‥そういえば、効くのだろうか?
「"侵略虫"に油は効くのか?」
「いいや、確かに好きな匂いではないらしいが
寄ってこれない程ではないらしい」
ヨセフは小瓶を振りながら答えた。
護身用にいつも用意している物らしい
「一応、吸わせてくれ。オレも"侵略虫"だからな」
「マジか!?結構キツいらしいからな、気を付けろよ」
そして、迅は軽く小瓶を開けて
手で仰いで匂ってみた。
「‥‥‥〜〜〜〜〜〜ッッ!!!」
迅は少しのけ反った。あまりの刺激の強さに目から涙が滲み出ていた。
例えるなら、虫刺されの薬をもろに臭ったようなものである。
迅は少し息を整えて言った。
「‥‥‥まぁ、行けるヤツは行けるだろうな‥‥‥‥オレは行きたくないけど」
油の威力で少し鼻声になっていた。
迅は目を擦って涙を拭いた。
「まだ、鼻がスースーする‥‥‥やめとけばよかった‥‥‥‥‥」
迅はあまりミント系は好きではないので
ものすごく後悔していた。
「少し休ませてくれ‥‥‥‥」
そう言って顔を押さえて横になった。
仕方ないので、もうしばらく休憩することになった。
結局、ヨセフとハビブには護衛として
ホークアイとリオさ
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