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鎧虫戦記-バグレイダース-
第27話 節が七つあるからナナフシというわけではないらしい
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「ギィッ!!」

ナナフシ型は細長い腕でマリーを掴んでいた。
そして、その腕を近くにまで引き込んだ。

「マリちゃんを離しやがれッ!!」

 ガシャシャン!!

アスラは"鎧骨格"を換装して、そのまま跳びかかった。
そして、日本刀をナナフシ型の腕に向かって振り抜こうとした。

 グイッ!

「キャッ!!」

しかし、ナナフシ型はその延長線上にマリーを持ってきた。
アスラは日本刀の軌道を無理矢理逸らした。

 ブオッ!!

間一髪、マリーに当たることなく空を切った。
ナナフシ型はマリーの盾としての使い道を察したらしい。

 ズザッ!

「クソッ!"鎧虫"ってそんなに頭良かったっけ?」

地面に着地して体勢を整えながら、アスラは迅に訊いた
迅はナナフシ型を睨みながら答えた。

「"鎧虫"は基本的に知能はほとんどない。
 マリーが一番の弱点というのは、本能的に気付けるはずがない。
 つまり‥‥‥‥‥‥‥またアイツか‥‥‥‥?」

迅の頭の中に浮かぶ人物の名前がアスラにも浮かんだ。

「まさか、ディーンかッ!?」
「‥‥‥‥‥‥‥‥‥」

奴の"強制憑依(ポゼス)"を使えば
ただの"鎧虫"を操ることなど、造作もないことだろう。
迅の返事がないので、アスラはそれを確定づけようとした。

「いや、違う。コイツはディーンではない」
「‥‥‥はぁッ!?」

迅の一言にアスラは困惑した。
戦闘中なので、少し早口で説明をした。

「コイツがもしディーンなら
 また、あの高笑いで挑発しながら戦ってくるはずだ。
 それに、アイツなら戦闘能力のある"鎧虫"で来るはずだからな。
 ナナフシは腕や脚は細く、力もない。つまり、アイツじゃない」

前のカマキリ型の時を思い出していた。
猛烈なパワー、鎌の威力、そして"超技術"。
戦闘能力はとてつもないものだった。
迅が確定付けているということは
こういう事が何度かあったということなのだろう。

「だが、少なくとも油断はできない。
 コイツには他のとは違って知能があるからな」
「単純な作戦は効かないってか」

それなら、どうするべきなのか。アスラは悩んでいた。

「ギィィ‥‥‥‥‥」

 ガサガサッ‥‥‥

ナナフシ型は森の中へと姿を消していった。

「あっ!待ちやがれッ!」
「やめろ。危険だ」

迅に肩を掴まれたので、アスラは止まった。
ガサガサと音源はどんどん遠くまで言ってしまい
ついに聞こえなくなってしまった。

「‥‥‥‥どうするんだよ?」
「まずは作戦を練ろう」

遠くからホークアイ達が駆け寄って来た。
とりあえず、アスラと迅は彼らと合流した。



    
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