ワールド・プレディート〜クロスクエスト〜
ワールド・プレディート
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絶勝世界』である。ハリンは今アーニャの力を借り受けている状態であり、ハリンの受けたダメージはアーニャのレギオンが肩代わりする。そしてアーニャのレギオンが受けたダメージはアスリウが肩代わりし……アスリウにダメージは透過する。結果としてアーニャのレギオンに損失は無く、これがハリンにダメージが入らなかった種である。
「……? :対象の抹消に失敗:対処検討……ローディング完了:実力での排除に移行:SS強制発動【セフィロト・オートマチック】。術式の高速詠唱を開始します――――」
刹那の背後に浮かぶ曼陀羅が、光を放つ。それは聖なる輝き。清浄なる裁きの極光。それは何も知らない無垢な女神の、子どもの様な破壊。
あるのは、『無』。感じた怖気に従って、ハリンはとっさに横に逃げる。それと、
「――――詠唱完了:照射開始/【破」「壊】」
大地が、欠乏したのは、全く同時だった。
ハリンのすぐ隣……つい先ほどまでたっていた場所が、文字通り消失した。即座に虹色の光がそこを覆い、全てが停止する。
だが女神の攻撃は終わらない。
「【破」「壊】【破」「壊】【破」「壊】……」
冗談のように、『破壊の概念』を何度も何度も叩き付けてくる。
その度に、世界が壊れる。建造物は倒壊し、大地は崩れ、空が割れる。だがその崩壊が世界に影響を与える前に、極光が全てを塗り替え、停止する。
ハリンも幾度か攻撃を受けた。その度に遠くへと吹き飛ばされ、もはや一撃を与えるどころではない。
「……【破」「壊】」
紡がれる。しかしそれではハリンを殺せない。
故に、女神はまるで駄々をこねる赤子のように。
「【破」「滅】」
異なる言い回しを、使ってきた。
直後、ハリンは吹き飛んだ。
物語は、こうして冒頭へと巻き戻る。
***
「……よし、行こう」
ハリンは、己の頬をたたいて立ち上がった。
状況は絶望的である。刹那には即座にこちらを吹き飛ばす、概念叩き付け攻撃がある。あれをどうにかして乗り切らなくては、ハリンの刃は届きすらしない。
だが……乗り切る術は、考え付いた。
アスリウの言った言葉を思い出したのだ。『スキルの実装も証明済みだ』という言葉を。
スキル。
この腰に差さっている二本の刀は、決して飾り物などではない。アインクラッドで苦楽を共にしたユニークスキル、《双刀》を発動するための切り札だ。
世界を救うという願いを此処に込めて、刹那を切り裂けば、きっと勝てる。
スキル、《疾風斬撃》を発動。高速で移動し、先ほどの場所まで到達する。
白き極光の女神は、まだそこにいた。ハリンの到来
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