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ワールド・プレディート〜クロスクエスト〜
ワールド・プレディート
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の場所は――――扉の姿をしていた。アインクラッドの迷宮区、最上階のボスの部屋の扉にも良く似た……しかしそれでいて、完璧な別物にも見える、奇妙な扉。

 万華鏡の如く七変化するその扉の印象。不気味で、壮麗で。

 この先に、アスリウが倒せと言った、《彼女》なる人物がいる。

 何者なのだろうか。アスリウの言い方を鑑みるに、ハリンがよく知る人物なのだろうか。

 
 とにかく、扉を開けてみよう、と決意して、ハリンはドアノブに手を掛ける。

 
 ――――その瞬間。


 世界が弾けた。扉の内部からあふれだす極光が、ハリンの視界を埋め尽くしていく。

「うわっ!」

 思わず腕を上げて顔を覆って、目をとじてしまう。荒れ狂う極光が、世界を遍く改変し――――

 すべてが止まった。風も、世界も、何もかも。そんな中でハリンが動けているのは、彼だけが異なる【法】の中で生きている故か。

 そして目を開けたハリンが見たのは、巨大な曼陀羅だった。

 虹色に光り輝く、複雑怪奇な曼陀羅。用意されている化仏用の蓮華座の数はゼロ。なぜなら、そこに座するのは、主たる存在唯一人だけだからである。

 それは、真っ白い女神であった。白い髪、白い翼。白銀のティアラに、白いマフラー。裾が七色に煌めく純白のドレスを纏ったその少女。瞳に光を宿さず、ただただ、冷たい()()色でこちらを見据えるその女の名を。

 ハリンは、知っていた。

「刹那さん……!?」

 彼女の名は《天宮刹那》。天宮陰斗の妹にして、幾度かハリンを助けてくれた、人に在らざる少女。外見はハリンの知る彼女よりも数歳年上のように見えるが、顔立ちなどは全く同一である。

 その彼女が、どうしてこんなところにいるのか。この事態を引き起こしておるのか彼女なのか。

 ハリンの疑問に、しかし刹那はほんの少しだけの一文で、答えた。

「――――侵入者を確認:対処検討……ローディング完了:通常通り管理・維持を実行:これより、『ワタシノセカイ』に対する異物の抹消を開始します」

 刹那の右手が上がる。

 それと同時に、光があふれだし―――――


 
 ハリンは死んだ。



 


 同時に、どこかで何かがはじけ飛ぶ音。それを受けて、何かが壊れる音。そしてそれら全てを包み込み、『無かったこと』にする嘲笑。

「ぐっ……はっ!?」

 気が付けば、ハリンはその場に投げ出されていた。死んだはずの己が意思が今だ残っていることに疑問を感じながらも、立ち上がる。喪失感。何かが、失われたという確信。だがそれが、既に修復してあるという満足感も同時に。

 ハリンは与り知らぬことだが、先ほどの攻撃に対処したのはアーニャの【法】、『
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