ワールド・カタストロフ〜クロスクエスト〜
Round《9》〜ワールド・カタストロフ〜
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「……何故。何故、貴方のその能力が奪えない……!?」
思わず口をついて出たのは、在るはずのない未知への回答。
そしてその回答は――――
「……お前にも、俺にも……奪えねぇ物だよ。
わかんねぇのか? 《絆》だよ。俺は複数の世界で散々女どもを誘拐したが、アイツらは俺に傅く奴隷となった今でも、元の男を慕ってやがる。俺はどうしてもそのつながりを奪えなかった……お前もだ。どれだけ封じ込められても、どれだけ奪えても、関係性を、歴史を奪えない。俺は歴史を捻じ曲げてスキルを奪い取れるが、それだけだ。それでも奪えねぇスキルってのがいくつかある。
俺の《情報捕食》はな。俺とカーディナルの二人がいるから、何でも奪える無敵の力なんだよ。一人だけでどんなスキルでも奪えると思いあがっていた、SAO世界に転生してきたばっかりの頃の俺と同じ今のお前に、俺が負けるわけねぇだろうが」
悪役に、説教をされた。
何とも言えないその事象に、面食らうタツ。
「もう終わりにしてやらぁ。死ね――――《ヒーロー・ゴッデボリューション》」
繰り出されたのは、タツが友と言える数少ない少年の剣技。必殺の剣が、タツへと迫り――――
タツとジンの間に出現した『何か』にぶち当たり、反射した。
「ぐぉっ!?」
与えるはずだったダメージをもろに喰らい、面食らうジン。《スキルキャンセル》を撃ったのだろう。ソードスキルが終了する。
「何だ……!? この俺に、ダメージを与えるだと……!?」
「そう言うスキルだからな。たとえ神クラスの一撃でも、跳ね返してみせる」
タツとジンの間に割って入った乱入者。黒い髪と、緑色のコート。2つの巨大な盾を構えたその青年は。
「……アクト!?」
第1試合で、タツによって何も起こさずに倒された、《双盾》の使い手……《絶対防御》アクトだった。
「いやぁ、お疲れお疲れ。アクト君が無傷で残っててよかった。もう1秒遅かったらタツ君負けてたしねー」
気の抜けた声でそう言いながら、影のように揺らめく空間――――そこから、くせ毛の青年……アスリウが姿を現した。
「偶然って怖いね。2つ重なれば必然っていうけど……タツ君が時間稼ぎをしないためにアクト君を一瞬で倒したから、コロシアムに残留していた彼のデータのHPは丸ごと残っていた。ほかのプレイヤーならHP回復に手間取っただろう。けどアクト君のHPバーはデータ損傷があんまりにも綺麗だったもんだから復元が速攻で終わってね。投入に成功したんだ」
ゆっくりとジンに近づきながら、タツに語りかけるアスリウ。
「ありがとう、アクト君」
「構わない」
対して興味もなさそうに、アクトは答える。アスリウに感謝されてもタツなら嬉
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