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魔法少女リリカルなのは ―全てを変えることができるなら―
第八話
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の評価と総合した考えだった。
それに対して朝我は優秀と言える人物だった。
個人成績は常にトップクラスで、人柄もよく、明るく優しい人物で、誰からも好かれた。
最初の成績表が張り出された辺りから、朝我はラブレターをもらうようにもなっていた。
そんな成績や評価が凸凹の二人の間に挟まったような感じの立ち位置だったティアナは、朝我といると落ち着いた。
指示はしっかりと聞いて機転も利き、何より咄嗟の判断に迷いがなかった。
まるで現場慣れしているかのような実力は、共にいて嫉妬もあったが、イヤではなかった。
対してスバルの成長も目まぐるしいものだった。
スポンジが一気に水を吸収するかのような速度で、スバルは成長した。
……が、それでも調子に乗りやすく、失敗も多く、彼女を原因に罰を受けたことが多かった。
朝我はそれでも笑顔で気にしていないような様子でいたが、内心では迷惑だろうと思っていた。
――――だが、ある時ふと彼に聞いてみると、彼は首を横に振った。
『チームの失敗はチームで取るものだし、こうして仲間と一緒に何かやれるの、俺は好きだからさ』
そう言って彼はまた、屈託のない笑を浮かべた。
なんで彼が
他人
(
ヒト
)
に好かれるのか、何となく分かった気がした。
彼は基本的に受身なのだ。
相手の成功も失敗も、全部受け止めて、共有して、一緒に感じ取っていた。
それが仲間であり、チームであると思っていたからだ。
それからだろうか、ティアナの考え方も変わった。
スバルなりの努力を知り、スバルの事情を知り、交流を増やした。
気づけば何をするにも三人でいることが当たり前になって、誰かが欠けている方が違和感だった。
彼がいてくれたことで、景色の見方が変わったような気がした。
そして現在もなお、彼はあの頃から何一つとして変わってはいなかった。
変わっていたのは、きっと自分だけで――――。
「……アタシの記憶が正しければ、失敗なんてスバルしかしてない気がするんだけど?」
「否定はしない」
「……ふふ」
「……はは」
――――だけど、今日この時だけは、あの時のように笑い合おう。
お互いに抱えているものも、背負っているものも、明日から再び始まる業務や訓練、事件。
全部全部、この瞬間だけは忘れて、二人は久しぶりに落ち着いて笑いあった――――。
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