リリカルなのは
パパは強し
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現実は俺のほうが徐々に押し込まれている。
俺の優秀な頭脳は一つの方法を思いつく。
……これしかないか。
「ヴィヴィオ」
「なに、パパ」
「お前の父親になれてよかったよ」
「何をいって――!?」
合わせていた拳をずらして、ヴィヴィオのレリックへと魔力打ち込む。
ヴィヴィオのレリックが砕けたことを確認する。
「勝ったぞぉッ!」
同時に、ずらされたヴィヴィオの拳が俺の胸へと吸い込み――。
俺の中のレリックが砕け散る音を聞いた。
◆
まどろみから目が覚める。
ここはどこだろう? 病院だろうか?
なんだか悪い夢を見ていた気がする。
そうたしか、聖王のゆりかごに乗って――。
「パパはどこ!? っていたた」
一気に覚醒した。
飛び起きようとして激痛から失敗する。
「今声が、ヴィヴィオ、目覚めたのね!」
「なんやて!?」
「ウーノママ、はやてママ」
文字通り病室に駆け込んでいたのは、はやてとウーノの二人だった。
「よかったヴィヴィオ。あなた3日も目を覚まさなかったのよ」
心底安堵したような表情をするウーノ。
隣のはやても同じような顔をしていた。
「本当に目が覚めてよかったで。これでジェイルも――」
「こら!!」
「あ、まず」
そうだ。パパがいない。
パパも入院しているのだろうか。
けれども、それにしては纏う空気が剣呑だ。
「ねえ、パパはどうなったの?」
「……」
問いかけるも沈黙したまま答えてくれない。
それどころか他の話題でそらそうとしてくる。
いよいよもって不安が湧く。
「お願い、教えて」
何度目かのお願いをする。
絶対にひかない、と決意を込めた表情で2人を見つめた。
「……そうね。娘のヴィヴィオにはきちんと伝えないと、だめよね」
「遅いか早いかだけの違いやろうしね。けれどもな。あらかじめいっておく。ヴィヴィ
オは何も悪くない」
「ヴィヴィオ、心を落ち着かせて聞いてね。ドクターは……ドクターは――」
嫌な予感がする。
「――お亡くなりになったわ」
目の前が真っ暗になった。
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